■名古屋・しらかわホールで２９日

　「教え子に恵まれた３９年間でした」。声楽の研究、重唱を担当し、３月末で名古屋芸術大を退官した星野行則さん（７０）。「音楽を通して心豊かな人間になってほしいという思いで、一生懸命務めてきました」

　そのためには「まず音楽を好きになってもらうこと。情感を込めて歌えるようになるには、人間としてやるべきことをちゃんとやらなければいけない」と指導し、教え子と師弟関係を離れても人間として通じ合える関係をつくってきた。大学以外でも温かで明るい人柄と熱心な姿勢が慕われ、合唱団の指導者、合唱コンクール審査員の要請も多い。「今後は基礎となるソルフェージュをしっかり教えたい。成長した教え子たちに負けてはいられません」と退官後も前進する。

　２９日午後４時、名古屋・伏見の三井住友海上しらかわホールで門下生一同（代表・松尾葉子）が主催する「退官コンサート」が開かれる。「１００人を超す教え子が出演してくれ、うれしいです」。オペラ界で活躍するソロ歌手、星野さんが指導する女声、男声合唱団が退官を祝ってステージに立つ。３０００円。（問）ＯＦＦＩＣＥリラン＝電０５２（７３３）８８０９

（2011年4月25日　中日新聞夕刊9面より）