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大学野球 愛知秋季L 東海学園大 先勝 愛知秋季L開幕

3失点完投でチームを2季ぶりの勝利へと導いた東海学園大の加藤=名古屋市のパロマ瑞穂野球場で
東海学園大は9回に山田の適時打などで3点を勝ち越し。名城大は天野が8安打完封した。中部大は中森が4安打を放つなど打線がつながり7回コールド勝ちした。
■亡き部長に「力もらった」 加藤完投 チームに2季ぶり白星
最後の打者を見逃し三振に打ち取ると、東海学園大の加藤は大きく拳を握った。春の王者、中京大相手に3失点完投。チームを2季ぶりの白星へと導いたエースは「春は1勝もできなかったので、本当に気持ち良かった」と汗を拭った。
立ち上がりから3連打を浴び、わずか4球で2失点。ここで開き直った。「相手はすごい打者ばかり。四死球はOKの気持ちだった」。春以降、磨いてきた内角への制球力を発揮。6回にはプロ注目の秋山を二飛に打ち取るなど、幾度となく相手のバットをへし折った。
並々ならぬ思いがあった。大相撲の元幕内藤ノ川として知られ、東海学園大教授で野球部長でもあった服部祐児さんが今年6月に亡くなった。この日はベンチに写真が掲げられ、「力をもらった」と加藤は明かす。
同点の九回、相手が挟殺プレーの球を落としたり、打ち取られた打球が適時打となったりして3点を勝ち越した。今季限りで勇退する鈴木監督は「あり得ないことが2、3個起こった。祐ちゃんのおかげで見えない力が働いた」としんみりと振り返った。
「チームを勢いづける投球をし、監督を男にしたい」と加藤。久々の白星をかみしめつつ、指揮官の花道を飾るために次戦以降も腕を振り続ける。(郷司駿成)
▽パロマ瑞穂 1回戦(東海学園大1勝)
東海学園大 000300003|6
中京大 200000100|3
(海)加藤-堀江
(京)大矢、柴田-森瀬
(2025年9月7日 中日新聞朝刊21面より)