進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > お知らせ

中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2024.11.27

この記事の関連大学

産卵用の池 より生息地に近く 長浜・田村山 「生き物ネット」とバイオ大が移設

新たな保護池に石を敷き詰める参加者=長浜市で

新たな保護池に石を敷き詰める参加者=長浜市で

■ヤマトサンショウウオ保護

 滋賀県レッドデータブックで希少種に指定されているヤマトサンショウウオの生息地、長浜市の田村山(138メートル)に、産卵用の保護池が新たにできた。田村山の生物や自然環境を守る団体「田村山生き物ネットワーク」と地元の長浜バイオ大が、これまでの保護池からより山に近い場所への移設を計画。作業には地元住民も含め約80人が参加した。(名倉航平)

 ヤマトサンショウウオの成体は、生まれた場所に戻って産卵する習性がある。山の麓にある古い保護池と山との間には幅約2.5メートルの農道とU字溝があり、7~15センチほどの成体が山から池に行く際の障害になっていた。ネットワークは8~10月、移設の資金を募るクラウドファンディングを実施。146人から計164万円が集まった。

 作業は24日にあり、参加者は新たな保護池になる深さ30~40センチ、広さ約20平方メートルの楕円(だえん)形の穴に石を敷き詰めた。新たな池には今後、水をためる。一方、古い保護池からは水を汲み出し、ヤマトサンショウウオにとって天敵のアメリカザリガニを駆除。成体のヤマトサンショウウオ1匹も見つかった。

 産卵期は1~3月。今後は5~6年かけて、古い池に産み落とされた卵を新しい池に移し、全てのヤマトサンショウウオが新しい池で生まれ、産卵するようにしていく。

 ネットワークの会長も務める長浜バイオ大アニマルバイオサイエンス学科の斉藤修教授(65)は「ほとんど人の手が入らなくても毎年産卵でき、山に戻るようになれば理想。その様子を、たまに来た人が見られるようになることを期待する」と話していた。

(2024年11月27日 中日新聞朝刊びわこ版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ

資料請求・願書請求 この大学のHPを見る