６回に逆転３ランを放つ名城大の伊藤雄紀内野手＝愛知県日進市の愛知学院大学野球場で（後藤正樹撮影）

■悪天候で３度延長　開幕カード制す

　名城大が３－１で愛工大に競り勝ち、勝ち点を獲得した。６回に４番・伊藤雄紀内野手（４年・健大高崎）の３ランで逆転に成功。先発したドラフト上位候補の最速１５６キロ右腕・岩井俊介投手（４年・京都翔英）は１失点（自責０）で完投した。

■重責一身に背負う

　特大のアーチに球場が沸いた。名城大は０－１の６回。愛工大の右腕・中村から無死一、二塁とし、マウンドから引きずり降ろした。代わった左腕の樋口を相手に、１死二、三塁で４番の伊藤雄が甘いスライダーを強振。「打った瞬間、完璧でした」と語った打球は、右中間最深部のフェンスを越える起死回生の逆転３ランとなった。

　鬱憤（うっぷん）を晴らす一打だった。第１、２打席とも得点圏に走者を置きながら凡退。３回には自らの失策で先制点を献上した。「自分が取り返すしかない」という強い気持ちで打席に立った。

　主将で４番、重責を一身に背負う。チームは岩井俊、松本とドラフト候補を擁し「これで勝てなかったら、まとめられてない自分の責任。絶対に王座を奪還したい」と意気込む。

　天候不良で３度試合が延期となり、木曜までずれ込んだチームにとっての開幕カードを制した。「調子が、などと言ってられない。全員でコンディションを整えて戦いたい」と次戦に向けて闘志を燃やした。（後藤正樹）

▽３回戦（名城大２勝１敗）
名城大　０００００３０００｜３
愛工大　００１００００００｜１
（城）岩井俊－加藤、谷
（工）中村、樋口、野崎健、－野崎翔
本塁打　伊藤雄（城）

（2023年9月15日　中日スポーツ9面より）