九産大－中部大　九産大を破って初戦を突破し喜ぶ広田（中央）ら中部大ナイン＝東京ドームで（由木直子撮影）

　第７２回全日本大学野球選手権は６日、１回戦４試合と２回戦２試合を行い、６年ぶり出場の中部大（愛知）が九産大（福岡六）に５－１で勝ち、２回戦に進出した。「５番・一塁」の広田陽斗捕手（４年・高岡第一）が先制打を含む３安打２打点と活躍。青学大（東都）のドラフト上位候補右腕、下村海斗投手（４年・九州国際大付）は６イニングを４安打１失点と好投した。

■堀田メソッド　全国でも奏功

　“堀田メソッド”が全日本の舞台でも奏功した。中部大が全国大会常連の九産大を撃破。出場３大会連続での初戦突破に堀田崇夫監督（４９）は「まずは１勝と言ってきた。リーグ戦同様に選手たちが普段通りにやってくれた」と胸をなで下ろした。

　１回に連続四球で２死一、二塁の好機をつくると、５番広田が右中間へ先制の適時二塁打。初の全国舞台に「４回まで緊張していました」と言いつつも３回には無死満塁で中前適時打を放った。東京ドームでの３安打に「気持ちいいっすね」と屈託ない笑顔をみせた。

　堀田監督の下、練習では上半身と下半身の連動を重視する。冬場や雨天時の練習では「堀田検定」を実施し、監督自ら選手１人ずつ「腰を切る」動きをチェック。腹圧や体幹を使って下半身から上半身に力を伝える動作を体に染み込ませ、強力打線をつくり上げた。

　全日本に３度出場してすべて初戦突破。「１つ勝って自信になった。出た課題を確認し、次の試合に臨みたい」と広田。次も勝ち、１５年ぶりの８強を狙う。　（谷大平）

▽１回戦
九産大（福岡六大学）　０００１０００００｜１
中部大（愛知）　１０２０１１００ｘ｜５
（九）楠本、大嶋、江越－菊池
（中）肥田、津波－清水
本塁打　菊池（九）

（2023年6月7日　中日スポーツ6面より）