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お知らせ 2022.07.07
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豊明・桜花学園大の嶋守教授 がん教育 教材は私
■未来の保育士・教員へ授業 「生きた教育できるように」
豊明市の桜花学園大保育学部の嶋守さやか教授(50)は本年度から、自身のがん闘病体験を保育士や学校の教員を目指す学生たちに伝える授業を行っている。2016年のがん対策基本法改正を受けて幼稚園や小中高校など教育現場でがん教育が採用される中、「生きるがん教育ができる保育者、教育者を育てたい」と嶋守教授は願う。 (平木友見子)
嶋守教授は昨年5月に子宮腺肉腫が見つかり、子宮と卵巣を全摘。全6クールの抗がん剤治療を受けた。その際、病気や治療について患者目線で分かりやすく解説した本が少ないことに気付き、症状や薬、副作用、ウィッグ選び、お金のことなど自分に起きたことを全て記そうと原稿を執筆。今年5月末に著書「私、子宮がんやめました 抗がん剤、やってどうなる?」(新評論)を出版した。
がん教育の授業は、担当する5つのクラスで実施。1年の基礎演習ゼミでは、16人の学生が同書を読み、「薬の副作用はみんな違うことを知った」「がんはどこか人ごとだった」と感想を述べたり、「大量の出血以外の症状は」「治療中に1番うれしかった言葉は」などと質問したりした。嶋守教授は丁寧に回答し、「1番望んだのは普通の生活。今は抗がん剤や薬が進化しているので、仕事と治療は両立できる」と語った。
受講した片桐百々加さん(19)は「がんについて知る機会はなかったが、がんは治らない病気という偏見をなくすためにもがん教育は大事だと思った」。加藤颯華さん(19)は「がんはマイナスイメージだったが、先生が元気に明るく過ごしていて前向きに捉えてもいいんだと感じた」と話した。
教育現場では、18年度から幼稚園教育要領にがん教育が記載され、小学校では20年度、中学校は21年度、高校は22年度から学習指導要領にのっとって実施している。嶋守教授は「外部講師は医療従事者が多いが、実際に治療を受ける患者の声も大事だと思う。がんを自分ごととして考え、教え子に伝えてもらいたい」と話した。
(2022年7月7日 中日新聞朝刊県内版より)
豊明市の桜花学園大保育学部の嶋守さやか教授(50)は本年度から、自身のがん闘病体験を保育士や学校の教員を目指す学生たちに伝える授業を行っている。2016年のがん対策基本法改正を受けて幼稚園や小中高校など教育現場でがん教育が採用される中、「生きるがん教育ができる保育者、教育者を育てたい」と嶋守教授は願う。 (平木友見子)
嶋守教授は昨年5月に子宮腺肉腫が見つかり、子宮と卵巣を全摘。全6クールの抗がん剤治療を受けた。その際、病気や治療について患者目線で分かりやすく解説した本が少ないことに気付き、症状や薬、副作用、ウィッグ選び、お金のことなど自分に起きたことを全て記そうと原稿を執筆。今年5月末に著書「私、子宮がんやめました 抗がん剤、やってどうなる?」(新評論)を出版した。
がん教育の授業は、担当する5つのクラスで実施。1年の基礎演習ゼミでは、16人の学生が同書を読み、「薬の副作用はみんな違うことを知った」「がんはどこか人ごとだった」と感想を述べたり、「大量の出血以外の症状は」「治療中に1番うれしかった言葉は」などと質問したりした。嶋守教授は丁寧に回答し、「1番望んだのは普通の生活。今は抗がん剤や薬が進化しているので、仕事と治療は両立できる」と語った。
受講した片桐百々加さん(19)は「がんについて知る機会はなかったが、がんは治らない病気という偏見をなくすためにもがん教育は大事だと思った」。加藤颯華さん(19)は「がんはマイナスイメージだったが、先生が元気に明るく過ごしていて前向きに捉えてもいいんだと感じた」と話した。
教育現場では、18年度から幼稚園教育要領にがん教育が記載され、小学校では20年度、中学校は21年度、高校は22年度から学習指導要領にのっとって実施している。嶋守教授は「外部講師は医療従事者が多いが、実際に治療を受ける患者の声も大事だと思う。がんを自分ごととして考え、教え子に伝えてもらいたい」と話した。
(2022年7月7日 中日新聞朝刊県内版より)