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「熱田神宮のハチミツ」好評 障害者施設 都市で養蜂
■名古屋学院大協力 賃金アップ、ブランド化期待
障害者の賃金アップにつなげようと、名古屋市熱田区の就労支援施設が、養蜂とハチミツ販売を始めた。施設を運営する「名古屋市身体障害者福祉連合会(名身連)」に、都市養蜂を手掛けてきた名古屋学院大(同市)の水野晶夫教授(57)が協力した。都市部で障害者施設が養蜂に取り組むのは全国でも例がない。ミツバチは、近くの熱田神宮の森などから蜜を集めてくる。施設側はブランド商品化を狙う。 (鈴鹿雄大)
商品名は「あつたハニー」で、45グラム入りの税込み500円。
今月1日、熱田神宮境内で開かれた「あつた朔日(ついたち)市」でお披露目された。製品化に関わった同大学生や、施設利用者らが販売した。試食した人たちは「味が濃くておいしい。花の風味が良い」と感心。神宮境内に目立つクロガネモチやヤブツバキの花の香りが売りという。施設利用者の男性(55)は「喜んでもらえるとうれしい」とはにかんだ。
施設は「名身連第一ワークス・第一デイサービス」。熱田区横田2の3階建て建物の屋上で、ミツバチ約1万匹を飼育している。ミツバチは、熱田神宮の森などの花の蜜を集めてくる。施設を利用する身体障害者約30人が蜜の収穫や、瓶への流し込み、ラベル貼りなどをしている。
水野教授はかねて、自然と人間の関わりを考える狙いで、熱田区内のキャンパスでの授業で、学生たちと養蜂に取り組んできた。
名身連に、障害者による養蜂を提案し、昨年11月から動き始めた。
施設にとって養蜂は、収入面で魅力的という。施設では従来、手芸品などを生産・販売しているが、材料費などを除き、工賃になるのは売り上げの5~6割程度。養蜂は、ハチ購入の初期費用を除き経費がほぼかからず、ハチミツ販売の売り上げの9割を賃金に回せる。さらに熱田神宮の花の蜜が含まれることから、看板商品に育てられるという期待もあった。
ミツバチは屋上と木々を往復し高い所を飛ぶうえ、ハチの中では性格もおとなしいことから、安全性は高いとされる。施設と隣接するホテルには既に、養蜂について説明しているが今後、規模を拡大する場合は、近隣施設などへの説明も検討する。
施設の坪井美佳所長(42)は「地域とのつながりを大事にしながら、続けていきたい」と話している。
(2020年10月6日 中日新聞夕刊7面より)
障害者の賃金アップにつなげようと、名古屋市熱田区の就労支援施設が、養蜂とハチミツ販売を始めた。施設を運営する「名古屋市身体障害者福祉連合会(名身連)」に、都市養蜂を手掛けてきた名古屋学院大(同市)の水野晶夫教授(57)が協力した。都市部で障害者施設が養蜂に取り組むのは全国でも例がない。ミツバチは、近くの熱田神宮の森などから蜜を集めてくる。施設側はブランド商品化を狙う。 (鈴鹿雄大)
商品名は「あつたハニー」で、45グラム入りの税込み500円。
今月1日、熱田神宮境内で開かれた「あつた朔日(ついたち)市」でお披露目された。製品化に関わった同大学生や、施設利用者らが販売した。試食した人たちは「味が濃くておいしい。花の風味が良い」と感心。神宮境内に目立つクロガネモチやヤブツバキの花の香りが売りという。施設利用者の男性(55)は「喜んでもらえるとうれしい」とはにかんだ。
施設は「名身連第一ワークス・第一デイサービス」。熱田区横田2の3階建て建物の屋上で、ミツバチ約1万匹を飼育している。ミツバチは、熱田神宮の森などの花の蜜を集めてくる。施設を利用する身体障害者約30人が蜜の収穫や、瓶への流し込み、ラベル貼りなどをしている。
水野教授はかねて、自然と人間の関わりを考える狙いで、熱田区内のキャンパスでの授業で、学生たちと養蜂に取り組んできた。
名身連に、障害者による養蜂を提案し、昨年11月から動き始めた。
施設にとって養蜂は、収入面で魅力的という。施設では従来、手芸品などを生産・販売しているが、材料費などを除き、工賃になるのは売り上げの5~6割程度。養蜂は、ハチ購入の初期費用を除き経費がほぼかからず、ハチミツ販売の売り上げの9割を賃金に回せる。さらに熱田神宮の花の蜜が含まれることから、看板商品に育てられるという期待もあった。
ミツバチは屋上と木々を往復し高い所を飛ぶうえ、ハチの中では性格もおとなしいことから、安全性は高いとされる。施設と隣接するホテルには既に、養蜂について説明しているが今後、規模を拡大する場合は、近隣施設などへの説明も検討する。
施設の坪井美佳所長(42)は「地域とのつながりを大事にしながら、続けていきたい」と話している。
(2020年10月6日 中日新聞夕刊7面より)