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お知らせ 2022.05.11

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安城学園高等学校

「大切なのは平和な毎日」 安城学園高 ウクライナ避難者が講演

ロシアの侵攻に対する思いなどを語るルスランさん(右から3人目)ら=安城市の安城学園高で

ロシアの侵攻に対する思いなどを語るルスランさん(右から3人目)ら=安城市の安城学園高で

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、安城市の安城学園高校で10日、現地からの避難者4人を招いた講演会が開かれた。首都キーウから安城市に逃れたルスラン・チェボタローフさん(38)、リディア・ザイエツさん(35)夫妻、出身地の安城市に戻った元教員葛西孝久さん(71)、不二恵さん(70)夫妻が、日本にたどりつくまでの過酷な道のりを振り返った。

 講演会は「ウクライナの『いま』を知る会」と題し、同校生徒会が主催した。

 ルスランさんは、ウクライナで不二恵さんに日本語を習っていた。一足先に帰国した葛西さん夫妻を頼って4月10日にリディアさんと一緒に安城市に着いた。働く場を見つけてもらい、新たな生活を軌道に乗せようと奮闘している。

 生徒たちを前にルスランさんは「警報の音を聞くたび、また誰かが死んだという思いがよぎった。私たちにはいろんな未来や夢があったが、侵攻が一瞬で消した」と声を詰まらせた。リディアさんは「それまで私が抱えていた悩みがちっぽけに思える。大切なのはきれいな空と太陽がある平和な毎日です」と明かした。

 葛西さん夫妻は12年前に移住し、ロシアの侵攻から約1カ月後の3月20日に安城に戻った。

 葛西さんは「ロシアの侵攻は、私たちにとって絶対に忘れられない傷だ」と語気を強めた。不二恵さんは「自分たちだけウクライナを逃げ出したという後ろめたさがある」と語り、「多くの人の助けで、私の命の糸がつながった」と述懐した。

 4人の話を聞いた2年生の生徒(16)は「自分だったらどう思うだろう、何ができるだろうと考えながら聞いた。高校生の私たちが思いを訴えることで平和につなげたい」と話した。 (四方さつき)

(2022年5月11日 中日新聞朝刊豊田版より)

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