お知らせ 2021.10.26
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おにぎり新商品 開発任せて 目指すは途上国飢餓解消と健康的食生活

おにぎりを試食しながら感想をメモする生徒たち=四日市市追分1の海星高で
海星高校(四日市市追分1)の生徒たちが、北勢地域でおにぎり店を展開する「おにぎりの桃太郎」(同市久保田1)の新商品の開発に取り組んでいる。健康的なメニューづくりを意識し、売り上げの一部は活動機関を通じて途上国の子どもたちに寄付する。「テーブル・フォー・ツー」(TFT)という、途上国での飢餓の解消と、生活習慣病の人が多い先進国での健康的な食生活を同時に推し進める試みだ。(尾林太郎)
■「おにぎりの桃太郎」と協力 売り上げの一部を寄付
TFTは、1食ごとに20円を寄付し、途上国の学校給食に充てる取り組み。食べ物にあふれる先進国と、飢えに苦しむ途上国の不均衡を解消しようと、東京のNPO法人が2007年に始めた。
今回、新メニューの開発に取り組むのは、1年生の9人。この7月、企業向けに、貧困や飢餓を解消するための案を披露する会が同校であり、9人は同社に対し、TFTへの参加と健康食品を具材に使った商品の開発を提案。発表を見た担当者らが賛同し、9月から新商品に向けた話し合いが始まった。
18日、生徒たちの提案をもとに同社が試作した新メニューの試食会が、同校で開かれた。モヤシのナムルを入れたキンパ(韓国ののり巻き)風に、ニンジンやゴボウが豊富なきんぴら、めんたいこの3種類。米には、食物繊維やビタミンBなどが豊富な玄米を使っており、具材は低カロリーで栄養バランスが良く、玄米に合うねっとりしたものにこだわる。
生徒たちはおにぎりを1つずつ味わいながら、味や食感などで感じたことを次々とメモしていった。「玄米にぱさぱさ感がなくておいしい」「きんぴらが油っこくて、お年寄りには少し重いかも」。目指すのは、健康でかつどの世代にもおいしく食べてもらえる1品だ。メンバーの1人、女子生徒(16)は「新商品を通じて、たくさんの人にTFTについて知ってもらいたい」と意気込む。
年内に案を取りまとめ、来年の販売開始を目指す。上田耕平社長は「生徒の皆さんの気持ちに応えながら、おいしく健康な1品をつくりたい。長く親しまれるメニューになれば」と話す。
(2021年10月26日 中日新聞朝刊北勢版より)