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高校野球 2019.04.06

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東邦高等学校

「令和」最初も甲子園V目指す 春夏連覇へ東邦再始動

夏に向けて練習に励む東邦高の長屋選手(左)やナイン=東郷町の東邦高グラウンドで

夏に向けて練習に励む東邦高の長屋選手(左)やナイン=東郷町の東邦高グラウンドで

 平成最後となる第91回選抜高校野球大会を制した東邦(名古屋市名東区)。30年ぶりに歴史を塗り替えたチームは「弱い」と言われ続けた世代だった。下位打線の奮闘で勝ち進んだ試合もあったものの、投打にわたる石川昂弥主将(3年)の活躍は圧倒的。ナインらは「春夏連覇に向けてレベルアップを」と燃える。(松野穂波)

 5日午後、東郷町の練習グラウンドでは、日が落ちるまで打撃練習や筋力トレーニングに励む選手らの姿があった。石川主将と4番打者の熊田任洋(とうよう)選手(3年)は高校日本代表候補らの研修合宿で不在。「石川がいなかったら決勝は勝てなかった。今のままじゃ夏は勝てない」。松井涼太選手(同)は気を引き締めた。

 選抜の決勝戦、石川主将は本塁打を2本放ち、投げては習志野打線を完封した。準決勝までは日替わりで別の選手が活躍したが、森田泰弘監督(60)は「石川以外、個々の能力は例年以下」と公言する。

 ただ、それでも優勝できた理由を「石川を支えようというチームの雰囲気」と指揮官は説明。ナインらは練習を重ね、大舞台で結果を出した。松井選手は接戦だった初戦で3得点すべてに絡み、ヒーローのお立ち台に立った。毎日素振りを欠かさなかった吉納翼選手(2年)は準決勝で3点本塁打を放つなど、7打点を挙げた。長屋陸渡(りくと)選手(3年)はチーム最多の9安打を放ち「石川はすごいけどライバル。夏は本塁打を打って、打点でも石川に勝ちたい」と意気込む。

 野手陣が勢いづく一方、急がれるのが投手陣の底上げだ。選抜では全5試合で石川主将が先発し、3試合で完投した。試合数も増え、暑さも加わる夏の大会は厳しさが増す。2回戦と準々決勝で計3回の登板に終わった奥田優太郎投手(3年)は「自分の力で優勝したかった」と悔しがる。夏に向けて「変化球の精度を上げ、先発を任される信頼感を得たい」と話した。

 平成の最初と最後を飾った選抜覇者の令和元年の甲子園制覇に向けた戦いは、もう始まっている。

(2019年4月6日 中日新聞朝刊県内版より)

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