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お知らせ 2019.03.15

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安城学園高等学校

大人が知らない 中学生のネット事情 安城署シンポ 見知らぬ人との交流 議論

「パパ活」をテーマに演じる安城学園高演劇部員=安城市桜町の市文化センターで

「パパ活」をテーマに演じる安城学園高演劇部員=安城市桜町の市文化センターで

 子どもたちを取り巻くネット環境の現状と対処法などを考える「中学生ネットリテラシーシンポジウム」が、安城市桜町の市文化センターで開かれた。安城署などが主催し、管内の安城、知立両市の中学生や西三河地方の教員、PTA役員、安城知立少年補導委員会のメンバーら約350人が参加した。(四方さつき)

 安城市の安城学園高校演劇部が、ネットで知り合った男性とデートや食事をする「パパ活」を題材にしたオリジナル劇を披露。生活指導が専門の兵庫県立大の竹内和雄准教授と、知立市知立中、竜北中の生徒6人が、大人と中学生のネット利用の仕方や認識の違いなどを巡り意見を交わした。

 安城署が管内の中学2年生を対象にしたアンケートから、面識のない人とネットでやりとりしたことがある生徒が半数近くいるとの結果を紹介。すると会場の大人らから「そんなにいるの?」と驚きの声が上がった。生徒らは「ネットゲームや会員制交流サイト(SNS)などでやりとりには抵抗感はない」と説明した。また実際にトラブルが起きた際の相談先について、生徒らは「心配させたくないという思いがあるから親には相談しづらいし、先生に言うと広まりそうで嫌だ」の意見もあった。

 竹内准教授は「ネットを巡って大人と子どもの意識の違いが大きいことを理解してほしい。大人は、子どもたちが相談できる存在になることが大切だ」と呼び掛けた。

■子どもの被害増に危機感 西三河の教員も招待し問題共有

 安城署管内の中学校の教員や生徒に加え、広く西三河地域の教員や関連団体の代表者らをシンポジウムに招いた背景には、児童買春や児童ポルノ製造など、子どもが被害者となる犯罪が増加していることへの署員の危機感がある。

 生活安全課少年係の後藤清顕警部補は「かつての『援助交際』に比べ、デートだけでお金がもらえる『パパ活』は抵抗感が薄く、軽い気持ちで足を踏み入れてしまう子が多い」と危ぶむ。スマートフォンの急激な普及で、正しい知識がないままネット環境を利用している子が多いことも原因の一つと考えている。

 今年1~2月に、署管内の安城、知立両市の中学2年生を対象にスマホやネットに関するアンケートを実施。「自分の顔を会員制交流サイト(SNS)に上げることがあるか」「ネットで知った人と会ったことがあるか」「(求めに応じて裸の写真などを送り拡散される)自撮り被害に遭った人を聞いたことがあるか」など19項目を質問。2246人から回答を得た。その中で被害に遭った際の相談相手として、友人を挙げた生徒が一定数いたことを懸念。「子ども同士でいくら話しても何の解決にもならないと知ってほしい」と後藤警部補は言う。

 安城署は今年から、ネットに関する犯罪被害の怖さや対処法などを説明する出前講話を、管内の中学校を対象に始めた。周囲の大人が迅速に対応できるよう、保護者や学校関係者の意識を向上させるのも、シンポジウムの狙いだった。後藤警部補は「子どもたちが被害に遭うのを防ぐ取り組みを今後も続けたい」と話す。(四方さつき)

(2019年3月15日 中日新聞朝刊西三河版より)

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