高校野球 2026.03.20
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選抜高校野球 中京大中京 初戦突破 一球集中 進化見せた

阿南光に勝利し、校歌を歌う中京大中京ナイン=甲子園球場で
■冬に10キロ増量 母の支え 太田投手 ピンチに登板 直球で抑える
支えてくれた母親に、ひと冬で成長した姿を見せた。2点をリードする8回2死一、二塁。長打が出れば同点に追いつかれる場面で、2番手の太田投手(3年)がマウンドに上がった。「自分を信じて投げ込むだけ」。この冬に磨いた132キロの直球で相手打者を右飛に打ち取り、1球でピンチの芽を摘んだ。
新チーム発足直後の名古屋地区2次予選の準決勝。先発したが打ち込まれ、アウトを一つしか取れずに降板し、チームも敗れた。その後の県大会と東海大会はスタンドから見守った。「他の投手が投げて甲子園に連れてきてくれた。自分も投げたかった」と悔しさが募った。
監督やコーチからは「体をしっかりつくらないと通用しない」と言われた。体重がなかなか増えなかったところ、浜松市で暮らしていた母の真理子さんの提案で、昨秋から学校の近くにアパートを借りて一緒に暮らすようになった。それまでの寮生活とは異なり、身の回りの家事を真理子さんが引き受け、太田投手は体のケアなどに専念するように。3食で2キロ以上の白米に加え、学校の授業の合間にはおにぎりを食べた。
2倍以上に増やした食事量と筋力トレーニングによって、冬の間に目標としていた10キロの増量を達成。投球に力強さが増し、投げ込みで制球力も安定した。
左腕のグラブに刺しゅうされた言葉は「感謝」。そこにはもちろん、一緒に冬を乗り越えてくれた母への思いが重なる。「ここまで増量できたのは、ご飯を作ってくれた母のおかげ」。大舞台で見せた好投とチームの勝利。母への恩返しは、まだまだ始まったばかりだ。(牧野良実)
中京大中京 000011010|3
阿南光 000010000|1
(中)安藤、太田-津末
(阿)小田、貝出-篠原
本塁打 松田(1)(小田6回1点)
(2026年3月20日 中日新聞朝刊県内版より)
