高校野球 2025.07.29
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「地元から甲子園」を現実に 豊橋中央高 愛知大会V 先発9人 三河の中学出身

東邦に勝利し、校歌を歌う豊橋中央ナイン
「ここ(豊橋中央)で私学4強を抑えた方がカッコいいかなって」。準決勝後の取材でそう語ったのはエースの髙橋投手(3年)。高校進学時、名古屋の強豪校から誘われながら、その強豪校を倒すために豊橋中央を選んだという。
三番遊撃手の花井選手(同)、四番左翼手の砂田主将(同)、五番捕手の松井選手(同)、1年生ながらレギュラーになった中立選手も愛知豊橋ボーイズの出身だ。
同ボーイズの中野哲伸監督(57)が進路に悩む選手への接し方を明かす。「地元で甲子園を狙える高校があるから、そこに行くのも選択肢。そうチームとして助言している」。それぞれの意志を尊重しつつ、地元から頂点を目指す道も提示するという。
甲子園への出場権を勝ち取った選手たちはボーイズ時代から「試合に出るためにやるべきこと」を考えるよう指導を受け、長所を伸ばしてきたという。
豊橋中央高でも成長を続け、花井選手の守備、松井選手の強肩は県内トップレベルになった。中野監督は「彼らの持ち味を萩本(将光)監督がうまく引き出している」とほほ笑んだ。
神奈川県代表の座を勝ち取った横浜高の阿部主将(3年)も同ボーイズ出身だ。中野監督は「あこがれの舞台で自分のプレーをして頑張ってほしい」と“聖地”で相まみえる教え子たちにエールを送った。
■巻き起こせ豊橋旋風 市役所に横断幕設置 PV開催なども検討
豊橋中央高の夏の甲子園大会出場決定から一夜明けた28日、豊橋市勢として74年ぶりの快挙に市内各界から喜びの声が上がった。
「こんなにうれしいことはない」。長坂尚登市長は定例記者会見の冒頭、自ら切り出した。「甲子園でも、豊橋はもちろん、愛知県の代表として、これまでの練習の成果をしっかり発揮し、はつらつとプレーしてもらいたい」
市は「巻き起こせ 豊橋旋風!」と書いた横断幕を市役所内に設置。今後、甲子園での試合日程などを踏まえ、パブリックビューイング(PV)の開催なども検討するという。
豊橋商工会議所の神野吾郎会頭(サーラコーポレーション社長)は「息をのむ試合展開のなか、選手の皆さんが最後まで仲間を信じて戦い抜く姿は、地域に大きな感動と希望を与えてくれた。地元経済界も一丸となって応援していく」とコメントを発表。同商議所も豊橋中央高を後押しする取り組みを検討しているという。
■豊橋中央高校
学校法人高倉学園が運営。1924年開校の愛知和洋裁縫女学校がルーツ。57年に豊橋女子高校に改称し、68年に県内初の保育科を開設(91年廃止)。97年に現在の校名になるとともに、男女共学化。2003年創部の野球部からはソフトバンクの谷川原健太捕手や中日の星野真生内野手らがプロ球界に輩出した。豊橋市鍵田町。
(2025年7月29日 中日新聞朝刊東三河版より)