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お知らせ 2024.05.09

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菊華高等学校

授業前 手作り100円朝食 25%「食べてこない」 菊華高 週1回提供

登校してきた生徒に「100円朝食」を振る舞うボランティアの生徒たち=守山区の菊華高で

登校してきた生徒に「100円朝食」を振る舞うボランティアの生徒たち=守山区の菊華高で

 より多くの生徒に朝食を食べる機会を提供しようと、菊華高校(守山区)は8日、校内で手作りの軽食を販売する「100円朝食」を始めた。登校前に朝食を食べない生徒が25%に上るという校内の調査結果を受けた取り組み。毎週水曜の始業前、ボランティアの生徒や教員らが玄関前に立つ。(榊原大騎)

■教諭提案、生徒もボランティアで調理

 午前8時すぎ、校舎の前に並んだテーブルカウンター越しに、登校してきた生徒たちが続々と列をつくった。この日のメニューは、天かすや青のりが入ったおにぎりに、豆腐とワカメのみそ汁やきんぴらごぼう。100円を支払った生徒たちは校庭などで食事をして、授業に向かった。

 販売するのは、生徒20人と教職員たち。前日の仕込み、調理から販売までを担う。8日は午前7時すぎに集まり、計200食を用意した。普通科フードクリエイトコース2年の生徒は「苦手な早起きをして準備した。自分も朝ご飯は毎日食べないけれど、できるだけ食べたい」と笑顔を見せた。

 100円朝食は、保健体育の金尾文子教諭の提案で始まった。朝食を抜く生徒が多いと感じてきたことから4月、生徒を対象にアンケートを実施。全校生徒985人の約9割に当たる905人が回答し、うち223人が「朝食を食べてこない」とした。一方、「100円朝食を利用したい」との回答は533人に上った。

 国などによると、日常的に朝食を食べる子どもは食べない子どもと比べ、学力調査の正答率が高い傾向がある。

 同校はアンケート結果を受け、教員による「朝食委員会」を設置。生徒からボランティアも募集し、献立づくりや仕込み、調理、販売までを一体的に行う環境を整えた。本年度は計23回を予定しており、教職員にも200円で販売する。生徒と教職員が垣根を越えて交流できる「コミュニティースペース」として機能することも目指す。

 ボランティアを希望する生徒も増えているといい、金尾教諭は「いろいろな生い立ちや家庭環境がある中で、できるだけ温かい朝食を食べてほしいというのが元々の願い。生徒一人一人が役割を持てる場をつくりたい」と話した。

(2024年5月9日 中日新聞朝刊市民版より)

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