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お知らせ 2023.06.09

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聖カピタニオ女子高等学校

性の問題 人ごとじゃない 瀬戸の聖カピタニオ女子高で婦人科医が講話

生理との付き合い方などを伝えた伊藤院長=瀬戸市西長根町の聖カピタニオ女子高で

生理との付き合い方などを伝えた伊藤院長=瀬戸市西長根町の聖カピタニオ女子高で

■生理、妊娠、デートDV 「身を守る方法知った」

 瀬戸市の聖カピタニオ女子高校は8日、3年生158人を対象に、婦人科の医師から話を聞く「いのちの学習」を実施した。女性が社会で生きていく力を身に付けることを目指す授業「女性学」の一環。女性の体の仕組みなどについて理解を深めた。(加藤慎也)

 女性学は、同校独自のカリキュラム。女性の社会進出の歴史などを学習するほか、婦人科医による講話を毎年実施している。井上真紀子教諭(46)は「専門医から話を聞くことで、性の問題を自分のこととして捉え、ライフデザインができるように」と狙いを話す。

 ココカラウィメンズクリニック(名古屋市東区)の伊藤加奈子院長(46)が講師を務めた。まず取り上げたのは生理の問題。定期的に来なくなる理由には、体重減少、スポーツによるエネルギー不足などがあるという。「生理が来ないと楽だと思うかもしれないが、女性ホルモンが正常に出ていない証拠。骨粗しょう症を招く恐れもある」と強調。3カ月間なかった場合は受診するよう勧めた。

 キャリア選択と性との関わりについては「35歳を過ぎると自然妊娠の可能性は減る」と説明。「仕事との兼ね合い、子どもは何人欲しいかをイメージしておいて」と語りかけた。

 交際相手からの暴力を意味する「デートDV」も話題に。殴ったり、蹴ったりといった身体的な被害以外に「傷つく呼び方をする」「勝手に携帯を見る」などの複数のチェック項目を示しながら「一方的な力関係があれば、それは暴力」と語気を強めた。

 「性行為を否定するのではなく、その中で自分の体を守る方法を教えてくれたのが新しかった。妊娠の適齢から逆算して結婚の時期やキャリアを考えたい」と生徒(17)。伊藤院長は「(避妊効果のある)低用量ピルなど知識が身を守る武器になる」と話した。

(2023年6月9日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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