愛知署は「ロックの日」の９日、鍵かけなど自転車盗防止を呼び掛けるイラストを制作した中部大第一高（日進市）の生徒５人と太田博道校長に感謝状を贈った。生徒らは同日夕方、イラストを基に作られたＡ２サイズの看板１０枚を、名鉄米野木駅北側駐輪場に取り付け、利用者に啓発グッズやチラシを配った。

　イラストを描いたのは、同高で昨年あったＳＤＧｓをテーマにした作品の学内コンテスト上位入賞者。怪しい手が自転車を狙う様子を描いた女子生徒（１７）＝３年＝は「常に狙われていることを意識してもらいたかった」、泣いている少女を描いた男子生徒（１７）＝同＝は「盗まれた人の思いを涙で伝えたかった」と話す。

　「みてるよ」の文字の下に鋭い視線を描いた女子生徒（１６）＝２年＝は「犯人は一般の人に見られている、被害者は二重ロックをしないと犯人に見られているという２つの意味を込めた」、「最初の一歩は自己意識」というコピーを入れた女子生徒（１６）＝同＝は「盗まれないよう自分の意識も大事と伝えたかった」、黄色の背景にシルエットを描いた男子生徒（１６）＝同＝は「危険を示す色を使い、シンプルで分かりやすいよう心がけた。少しでも犯罪が減ればうれしい」と話した。

　同署管内では１～５月末、自転車盗が６２件発生し、うち７割が無施錠。日進市内が１５件と最多で、米野木、日進両駅周辺で多発しており、次いで長久手市が１４件だった。看板は日進、赤池両駅にも設置する予定。（平木友見子）

（2023年6月10日　中日新聞朝刊なごや東版より）