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高校野球 スポーツ  2019.07.15

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享栄・大藤監督 緊張の夏1勝 百戦錬磨の指揮官もガチガチ 愛知大会

イニング間の円陣でナインに指示を飛ばす享栄の大藤敏行監督(一番右)=パロマ瑞穂球場で(川越亮太撮影)

イニング間の円陣でナインに指示を飛ばす享栄の大藤敏行監督(一番右)=パロマ瑞穂球場で(川越亮太撮影)

 島根で新たに開幕して34大会、231試合が行われ、シード校が登場した愛知では、前中京大中京の大藤敏行監督(57)が率いる享栄が、大成に10-0で5回コールド発進。岐阜では、3連覇を狙う大垣日大が5回コールドで好スタートを切った。また、愛知と岐阜は一部カードが降雨順延。三重と静岡は全試合が順延となった。秋田大会では昨夏の甲子園大会で準優勝した金足農が、2-4の9回に3点を奪って逆転サヨナラ勝ち、岩手大会では、昨夏代表の花巻東も延長戦の末にサヨナラ勝ち。和歌山ではプロ注目の和歌山東の落合投手が6イニングを1失点に抑え、初戦を突破した。

■5回コールド発進

 新天地で迎える夏の初戦。百戦錬磨の指揮官といえども緊張は隠せなかった。享栄を率いて初めてとなる夏の愛知大会での勝利を5回コールドゲームで飾った大藤監督は幸先のいいスタートを切ったにもかかわらず、偽らざる本音を口にした。

 「今日はガチガチになりましたよ。緊張で手が震えてね。試合前はちょっとみっともないノックをしてしまったし…。監督が硬いんで、選手も硬くなったかなぁ。特別な感慨はないけど、(夏の初戦を)勝つことができてホッとしています」

 中京大中京を率いていた2010年以来、9年ぶりとなる夏の大会での采配。試合中は緊張を感じる一方、気持ちの高ぶりを感じていた。「“戦闘服”を着て、生徒たちと一緒になって試合を戦う。やっぱり、気持ちいいです」。さらに、1年かけて磨いてきたチームへの自信も覚えている。

 昨秋の就任後、機動力と投手中心の守備を重視する野球を植え付けてきた。選手は夏の初戦から“大藤カラー”を実践した。「自分の攻めの投球で流れを作りたかった」という先発の2年生左腕・上田が直球を武器に4イニングを無安打無失点に抑えると、打線は3本の三塁打を含む9安打で10得点。そんな選手の姿に指揮官も合格点を与えた。

 「今日の後半はやりたい野球が8割方できた」

■95年以来夏の甲子園へ

 享栄は1995年以来夏の甲子園大会の出場がない。しかし、新天地のユニホームへの違和感はなくなったという大藤監督は「(中京大)中京の時と僕の采配自体は同じだね。次の試合もどれだけウチの力が通用するか楽しみ」とニヤリ。目はさらなる高みを向いていた。 (川越亮太)

◇愛知大会▽3回戦(パロマ瑞穂)

大成 00000―0
享栄 0172x―10
 (5回コールドゲーム)
(大)近藤、豊場、滝、峯下-松岡
(享)上田、浜田-三島有

(2019年7月15日 中日スポーツ7面より)

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