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中日新聞掲載の大学記事

2016.08.26

成分分析し病気予防 名古屋 食品科学工学会の大会

 食品の成分や機能などを分析し健康増進につなげる研究者らでつくる日本食品科学工学会の第63回大会が25日、名古屋市天白区の名城大天白キャンパスで3日間の日程で始まった。初日は基調講演やシンポジウムなどがあり、認知症や骨粗しょう症対策に有効な食品開発など最新の研究成果が報告された。

 毎年各地で開かれ、名城大が会場となるのは2009年以来7年ぶり。健康に対する食品の機能面の研究が活発化し30年以上経過したのを機に、科学的根拠が解明されていない食品や成分の機能を究明し、人間での効果を臨床研究で実証する重要性を主要テーマに掲げた。

 そのため基調講演では、愛知学院大の大沢俊彦教授(健康栄養学)が、認知症や骨粗しょう症、生活習慣病などの対策につながる食品成分の研究の最新状況を解説。蒲郡市と協力した市民への実証研究で、カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールなどの成分が血圧を低下させ動脈硬化のリスクを下げる効果があることを確認した結果などを紹介した。その上で「若い研究者には産官学連携で課題に挑んでほしい」と呼び掛けた。

 26日は35歳以下の研究者が対象のポスター展示による100件余りの成果発表会などもある。3日間で計340テーマの成果が講演で発表され、1300人程度の参加が見込まれる。(室木泰彦)

(2016年8月26日 中日新聞朝刊県内版より)
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