国重要無形民俗文化財の尾張万歳が９日、美浜町奥田の日本福祉大美浜キャンパスで上演された。太夫役と才蔵役の軽妙なやりとりに、足を止めた学生たちが興味深そうに見入った。

　同大は昨年から、尾張万歳を含む知多半島の伝統文化やまちづくり活動を学ぶ１年生向けのゼミ「知多学フィールドスタディ」を開講。内容の一端に触れてもらおうと、履修登録時期に合わせて家元の北川幸太郎さん（７５）＝知多市八幡＝と、竹内力さん（６１）＝阿久比町植大＝の二人を招いた。

　はかま姿の２人は、学生であふれる昼休みの生協前で、七福神が登場する演目を熱演した。扇子を手にした太夫役の北川さんと、鼓を打つ才蔵役の竹内さんがテンポよく掛け合い、周囲は華やかなムードに包まれた。

　９月に始まるゼミで講師を務める北川さんは「せっかく知多半島に来たんだから、多くの若い人に覚えてもらいたい」と話した。（字井章人）

（2009年4月10日　中日新聞朝刊知多版より）