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中日新聞掲載の大学記事

2011.12.25

放射能忘れ癒やして 年の瀬キャンプ 福島の親子65人招待

■学生団体「愛チカラ」 岐阜であすから

 放射能におびえながら暮らす子どもたちに冬休みを思いっきり遊んでもらいたい−。そんな思いで、県内の大学生を中心とした復興支援団体「愛チカラ」が26〜31日、福島県伊達市の子どもと保護者ら65人を招き、岐阜県中津川市加子母を拠点にキャンプを開く。 (加藤祥子)

 夏に続く第2弾。子どもたちにはスキーやスケート、餅つきなど、保護者には温泉などをゆっくり楽しんでもらう。

 伊達市は福島第1原発から50キロ以上離れているが、周囲に比べて放射線量が高い「ホットスポット」がある。屋外で走る子に同級生が「将来どうなってもいいの?」と注意する。祖父母の家へ遊びに行って一緒の食卓を囲みながら、子どもには別の献立を用意する。生活には常に「放射能」が付きまとう。人間関係も壊れつつある。避難をめぐり、家族が言い争う。地域でも「特定避難勧奨地点」に指定されている世帯とそうでない世帯の関係がぎくしゃくしている。

 学生たちは夏のキャンプ後、月一度伊達市を訪ね、保護者らからそんな現状、悩みを聞いてきた。年末に当たって、子どもも大人も心身を癒やす機会が必要と考え、冬のキャンプを企画した。

 小学生の子ども2人と参加する伊達市の主婦大波尚美さん(38)は「真剣に私たちのことを考えてくれ、うれしい」と当日を心待ちに。スタッフの至学館大4年柴田結実子さん(24)は「2011年の締めくくりに、放射能を忘れて親子一緒に笑顔で過ごしてほしい」と話している。

 愛チカラの活動費用は寄付や助成金で賄っていて、支援継続のために常時寄付を募っている。(問)愛チカラ=電052(222)4311

(2011年12月25日 中日新聞朝刊県内版より)
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