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お知らせ 2026.04.17
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素粒子ミュオン活用「共鳴状態」 未来の発電へ「大きな成果」
■中部大など 世界初の直接観測
中部大(愛知県春日井市)と東北大を中心とする研究グループは16日、未来の発電手法として期待される素粒子ミュオンを使う核融合について、核融合に至らない「共鳴状態」を直接観測することに、世界で初めて成功したと発表した。効率的な核融合反応に欠かせない理論を証明するのに必要だった。成果は米科学誌サイエンスの姉妹誌に掲載された。(伊藤純平)
原子核同士がくっついてエネルギーを発する核融合発電は、反応の暴走事故が起きず二酸化炭素(CO2)を排出しないなどの利点がある。約1億度の高温プラズマで融合させる手法が主流だが、高温のため制御が難しく実用化には至っていない。
一方、素粒子ミュオンを触媒にすると常温での核融合が可能。ただ、ミュオンの生成コストに対して得られるエネルギー量が少ない。実用化のため、一つのミュオンが核融合を起こす回数を増やそうと、世界で研究が進んでいる。
従来の研究では、効率的な核融合の条件について、理論上得られる反応回数などと実験データに乖離(かいり)があった。その理由として近年になって、原子核同士をくっつけても核融合に至らない「共鳴状態」の存在が理論上で提唱されていた。
同研究グループでは、特徴的なエックス線を高性能検出器で初観測。共鳴状態の存在を証明したことで、理論とデータの不一致を解消した。
16日に中部大で会見した同大ミュオン理工学研究センター長の岡田信二教授は「ミュオン触媒核融合の基盤的理解を大きく進める成果。反応をうまく制御できれば実用化に近づく」と説明した。
(2026年4月17日 中日新聞朝刊25面より)
中部大(愛知県春日井市)と東北大を中心とする研究グループは16日、未来の発電手法として期待される素粒子ミュオンを使う核融合について、核融合に至らない「共鳴状態」を直接観測することに、世界で初めて成功したと発表した。効率的な核融合反応に欠かせない理論を証明するのに必要だった。成果は米科学誌サイエンスの姉妹誌に掲載された。(伊藤純平)
原子核同士がくっついてエネルギーを発する核融合発電は、反応の暴走事故が起きず二酸化炭素(CO2)を排出しないなどの利点がある。約1億度の高温プラズマで融合させる手法が主流だが、高温のため制御が難しく実用化には至っていない。
一方、素粒子ミュオンを触媒にすると常温での核融合が可能。ただ、ミュオンの生成コストに対して得られるエネルギー量が少ない。実用化のため、一つのミュオンが核融合を起こす回数を増やそうと、世界で研究が進んでいる。
従来の研究では、効率的な核融合の条件について、理論上得られる反応回数などと実験データに乖離(かいり)があった。その理由として近年になって、原子核同士をくっつけても核融合に至らない「共鳴状態」の存在が理論上で提唱されていた。
同研究グループでは、特徴的なエックス線を高性能検出器で初観測。共鳴状態の存在を証明したことで、理論とデータの不一致を解消した。
16日に中部大で会見した同大ミュオン理工学研究センター長の岡田信二教授は「ミュオン触媒核融合の基盤的理解を大きく進める成果。反応をうまく制御できれば実用化に近づく」と説明した。
(2026年4月17日 中日新聞朝刊25面より)