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2010.07.17
愛知生まれの快足娘 中京大2年 市川華菜 世界初陣
陸上短距離の市川華菜(19)=中京大2年、愛知・岡崎城西高出=が、19日にカナダ・モンクトンで開幕する世界ジュニア選手権の女子200メートルに出場する。初めて日本代表に選ばれた市川は今季、女子200メートルで東海学生新記録を連発するなど絶好調。愛知生まれの快足娘が、世界デビュー戦で存在感を大きくアピールする。
■陸上・世界Jr.女子200メートル参戦
「去年ぐらいから『JAPAN』の文字を付けて走りたい、と思っていた。まさか今年付けられるとは…。世界ジュニアでは表彰台に立ちたい」。予想以上に早く背負う日の丸に少し戸惑いをのぞかせながらも、市川は目前に迫った大舞台に向け、高い目標を掲げた。
高校時代はそれほど目立つ存在ではなかったが、中京大進学後に急成長。昨年の日本選手権女子200メートルで決勝に残り、注目を集めた。今季は200メートルでさらに目を見張る成績を残している。6月4日の日本選手権予選で23秒75と初めて24秒切りを実現し、東海学生新記録を作った。同19日の日本学生個人選手権では優勝し、23秒73と記録を再び更新した。
好調の原因は冬場の猛特訓にある。「今までこんなに冬季練習をしたことはなかった。ウエートトレーニングも、泣くぐらいやりました」。3度の五輪出場を誇る青戸慎司コーチ(43)の指導で肉類や揚げ物を避け、魚類や野菜中心の食生活に変更。体脂肪率は昨年の18〜19%から15%を切るまで減少した。
体だけでなく、精神面の変化も見逃せない。3月に沖縄で行われた女子日本代表の短距離合宿に参加し、100メートル、200メートル日本記録保持者の福島千里(22)らトップ選手とともに過ごし、一流の空気を味わった。「福島さんはすごく練習する選手。そういうところを見て、『自分は甘い。もっとやらなきゃ』と感じた」と強い影響を受けたという。同合宿に参加した高校時代からのライバル今井沙緒里(至学館大2年)の存在も大きい。市川は「自分がここまで来られたのは沙緒里と競い合えたおかげ。尊敬しているし、お互い負けたくない気持ちがある」と今井に感謝をささげる。
「海外のレースが初めてなので不安もちょっとあるけど、世界の舞台で走るのが楽しみ。今出せる最大限の力を出したい」と市川。当然、ジュニアの日の丸だけで満足するつもりはない。「このまま(シニアの)日本代表になれるよう頑張りたい」。その名の通り華のある美形ランナーが、世界ジュニアをきっかけに一気にトップまで駆け上がる。 (斎藤正和)
■後輩からいい刺激 中京大の和戸
中京大では、市川と同学年の和戸達哉(2年)=岐阜・中津商出=も日本選手権男子110メートル障害準決勝で13秒82の東海学生新記録を出した。同選手権で和戸は学生として唯一決勝に進出し7位と健闘。和戸は「安部(孝駿、中京大1年)の存在が大きい」と、世界ジュニア選手権代表にも選ばれている後輩に刺激されたことを認める。和戸はコンスタントに13秒台が出せるようになっており、市川とともにその成長ぶりに期待が集まる。
▼市川華菜(いちかわ・かな) 1991(平成3)年1月14日、愛知県豊田市生まれの19歳。163センチ、48キロ。愛知・豊南中で陸上を始める。岡崎城西高3年時の全国高校総体女子100メートル7位、同200メートル4位。中京大1年時の日本選手権女子200メートルで8位に入った。
(2010年7月17日 中日スポーツ11面より)
■陸上・世界Jr.女子200メートル参戦
「去年ぐらいから『JAPAN』の文字を付けて走りたい、と思っていた。まさか今年付けられるとは…。世界ジュニアでは表彰台に立ちたい」。予想以上に早く背負う日の丸に少し戸惑いをのぞかせながらも、市川は目前に迫った大舞台に向け、高い目標を掲げた。
高校時代はそれほど目立つ存在ではなかったが、中京大進学後に急成長。昨年の日本選手権女子200メートルで決勝に残り、注目を集めた。今季は200メートルでさらに目を見張る成績を残している。6月4日の日本選手権予選で23秒75と初めて24秒切りを実現し、東海学生新記録を作った。同19日の日本学生個人選手権では優勝し、23秒73と記録を再び更新した。
好調の原因は冬場の猛特訓にある。「今までこんなに冬季練習をしたことはなかった。ウエートトレーニングも、泣くぐらいやりました」。3度の五輪出場を誇る青戸慎司コーチ(43)の指導で肉類や揚げ物を避け、魚類や野菜中心の食生活に変更。体脂肪率は昨年の18〜19%から15%を切るまで減少した。
体だけでなく、精神面の変化も見逃せない。3月に沖縄で行われた女子日本代表の短距離合宿に参加し、100メートル、200メートル日本記録保持者の福島千里(22)らトップ選手とともに過ごし、一流の空気を味わった。「福島さんはすごく練習する選手。そういうところを見て、『自分は甘い。もっとやらなきゃ』と感じた」と強い影響を受けたという。同合宿に参加した高校時代からのライバル今井沙緒里(至学館大2年)の存在も大きい。市川は「自分がここまで来られたのは沙緒里と競い合えたおかげ。尊敬しているし、お互い負けたくない気持ちがある」と今井に感謝をささげる。
「海外のレースが初めてなので不安もちょっとあるけど、世界の舞台で走るのが楽しみ。今出せる最大限の力を出したい」と市川。当然、ジュニアの日の丸だけで満足するつもりはない。「このまま(シニアの)日本代表になれるよう頑張りたい」。その名の通り華のある美形ランナーが、世界ジュニアをきっかけに一気にトップまで駆け上がる。 (斎藤正和)
■後輩からいい刺激 中京大の和戸
中京大では、市川と同学年の和戸達哉(2年)=岐阜・中津商出=も日本選手権男子110メートル障害準決勝で13秒82の東海学生新記録を出した。同選手権で和戸は学生として唯一決勝に進出し7位と健闘。和戸は「安部(孝駿、中京大1年)の存在が大きい」と、世界ジュニア選手権代表にも選ばれている後輩に刺激されたことを認める。和戸はコンスタントに13秒台が出せるようになっており、市川とともにその成長ぶりに期待が集まる。
▼市川華菜(いちかわ・かな) 1991(平成3)年1月14日、愛知県豊田市生まれの19歳。163センチ、48キロ。愛知・豊南中で陸上を始める。岡崎城西高3年時の全国高校総体女子100メートル7位、同200メートル4位。中京大1年時の日本選手権女子200メートルで8位に入った。
(2010年7月17日 中日スポーツ11面より)