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お知らせ  2019.07.26

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ペプチド生産 とっても安く 中部大・山本教授が合成法

中部大で会見した山本尚教授=25日、愛知県春日井市で

中部大で会見した山本尚教授=25日、愛知県春日井市で

 中部大の山本尚教授(有機合成化学)=中日文化賞受賞=らのチームが25日、アミノ酸が連なったペプチドの新しい合成法を開発したと発表した。従来に比べて生産コストが1000分の1以下になり、環境にも優しいといい、新たな医薬品の開発につながる画期的な成果。

 ペプチドは2~100個程度のアミノ酸からなり、タンパク質の断片ともいえる。特別なペプチドが、がんやうつ病などさまざまな病気に効果があり、副作用が少ないと分かってきており、ペプチド医薬品の開発に期待が高まっている。一方で、従来のペプチドの合成法では収量が極めて低く、高価なものだと1グラム1億円にもなり、コストダウンが課題だった。

 山本教授は、狙った炭素同士をくっつける性質を持つ「ルイス酸触媒」に着目。ルイス酸の一種のチタンやタンタルなどの金属が、アミノ酸を連結できるか試したところ、最大9個のアミノ酸からなるペプチドを作ることに成功した。

 これまでより格段に少ない工程数で合成できるため、原料からペプチドができる効率も高くなると予想され、原料費や精製費などを考えると、生産コストは1000分の1以下になるという。また従来の方法では大量の排水や有害物質の廃棄物が出たが、新しい方法ではほとんどない。

 今回の方法で特許を取得しており、国内の大手化学企業が1、2年後に合成、販売の予定。山本教授は愛知県春日井市の中部大で会見し「すべてのペプチドを安く作って世界中に提供し、医薬品や化粧品をはじめ、さまざまな分野で応用してもらいたい」と話した。

(2019年7月26日 中日新聞朝刊29面より)

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