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お知らせ 2022.08.24

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愛知啓成高等学校

若者の声 市政に届け 「高校生議会」 稲沢で初開催 観光PR 企画提案も

市職員らに対し「一般質問」する生徒ら=稲沢市議会の議場で

市職員らに対し「一般質問」する生徒ら=稲沢市議会の議場で

 高校生が議員になりきって、市政に対する質問や意見を述べる「高校生議会」が19日、稲沢市で初めて開かれた。18歳選挙権の適用や成人年齢の引き下げを機に、生徒の政治への関心を高める狙いで、高校側からの提案で実現した。愛知啓成高校1~3年生の「議員」26人が福祉や地域活性化、多様性など興味のあるテーマで課題を述べ、市側と論戦を交わした。(寺田結)

 高校生議会は午後1時から約3時間半、市議会の議場で行った。3年生の生徒(18)が議長を務め、市側の席には加藤錠司郎市長や幹部職員らがずらり。ぴりっと緊張が走る中、議員は5つの「会派」で決めたテーマに沿って、自らや友人らの体験談を交えながら「一般質問」した。

 市の観光PRにおいて、市内を通る江戸時代の街道「美濃路」に注目した会派のメンバーは、幅広い世代を呼び込むための企画を提案。地場野菜や規格外農作物を販売するマーケットや子ども食堂、地元昔話に関する紙芝居の実施のほか、高校生と大学生記者によるPR記事作成を挙げた。

 企画提案に関わった、副議長の1年生の生徒(16)は「選挙だけでは伝わらない考えを、自分の言葉で伝えられた。提案が実現するといい」と期待した。議長の3年生の生徒(18)は、7月の参院選で初めて選挙に行ったと言い、「議会の進め方が具体的に分かり、1票の大切さを改めて感じた。来年以降も、多くの後輩に体験してほしい」と話した。

 加藤市長は議会の閉会を前に「なかなか鋭い質問があり、真剣な議論ができた。今日のような取り組みは、若い方々の意見をしっかりと聞く機会になる」とあいさつ。各会派の講評をした上で「寄せられた意見を市として1つでも2つでも実現できることがあればやっていきたい」と述べた。

◇5会派の主な質問テーマと市側の答弁

 ▽外国籍の児童生徒らへの日本語教育 市内の小中学校全5校に計6人の日本語指導教員を配置。本年度購入する翻訳機も活用する

 ▽若者に魅力的な町にするための施設誘致 誘致はしていないが、学生が企画に関わる「稲沢イルミネーション」などの催しを展開

 ▽美濃路の観光利用 沿道で行われる祭りやイベント、文化財、関わる人々をつないで交流を生み出し、にぎわいを作り出したい

 ▽男女で異なる髪形の校則廃止を 市内各中学校で生徒主体の校則見直しが進行中。性の多様性にも配慮するよう働き掛けたい

 ▽コミュニティバス利用のキャッシュレス化 かつてコスト面から導入を見送った。最新の情報を集め、運行業者と協議したい

(2022年8月24日 中日新聞朝刊尾張版より)

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