わずか２点差。連覇を逃した名経大市邨の選手たちの目に、大粒の涙があふれた。ここまでチームをけん引してきた主将は「自分たちのペースにできなかった」と敗因を語った。
　
　追う展開が続いた準決勝の反省を生かし、序盤から守備を徹底。相手の強烈なジャンプシュートに屈せず、ピンチを幾度となく防いだ。一方で、得意の速攻を仕掛けるも、相手の堅守に阻まれる。序盤は両チームの守備が光り、１点差を争う攻防が続いた。
　
　８－８で迎えた前半２３分、相手に勝ち越しを許すと、そこからまさかの５連続失点。これで相手にペースを握られた。後半も終始リードされ、試合時間残り１分で４点差。主将の２連続得点で、チームは勢いづいたが、そこで無念のタイムアップ。追い上げもあと一歩及ばなかった。
　
　主将は悔しさをにじませた一方で、「２連覇の重圧がいつしか自分たちの目標に変わった。それに向けてやり切った」とチームの集大成を振り返った。（古畑克真）

（2022年8月5日　中日新聞朝刊県内総合版より）