お知らせ 2022.04.08
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高田高生「チョコ作り教える」 ウガンダの味 ウガンダ難民の子へ
■NPO、コロナでかなわぬ渡航 実現へまず地元でPR
高田高校(津市一身田町)の生徒でつくるNPO「INAANZA(イナンザ) MIE」が、アフリカ東部のウガンダで難民として暮らす子どもたちにチョコレートの作り方を教えることを目標に活動に励んでいる。新型コロナウイルス禍で渡航の目途が立たない中、現地のカカオ豆で作った洋菓子を地域で販売するなどし、渡航できる日に備えている。(鎌倉優太)
3月24日、津市内のスーパーの一角。イナンザの生徒ら6人が「ウガンダ産のカカオで作ったお菓子です!」と元気に買い物客らに呼び掛けた。地元菓子店「ムッシュコウノヤ」(西古河町)の協力を得て完成させたワッフル100個とフィナンシェ300個を完売した。売り上げはウガンダへの渡航費に充てる予定だ。
2019年6月、当時同校の1年生だった市川さん(18)と西井さん(18)が難民支援のアイデアを提案する「未来ドラフト2019」(国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン主催)に参加したのが活動のきっかけ。ウガンダの難民居住地にいる子どもたちへの「一生忘れられない授業」を考えることが大会のテーマだった。
2人は下調べを進める中で、ウガンダではカカオ豆を多く生産しているにもかかわらず、難民居住区で暮らす子どもたちの多くがチョコの味を知らないということを知った。大会では、40度の気温でも溶けないチョコの作り方を伝える授業を提案。来場者の投票で選ばれる「オーディエンス賞」を受賞したが、現地でアイデアを実現できるグランプリには届かなかった。
大会後、2人はアイデアを実現しようとNPOを設立。英語で授業用の冊子を作ったり、子どもたちに教えられるように試作したりと準備を進めた。昨年夏にはコロナ禍での子どもたちの活動を支援する県主催の「みえの子ども『夢☆実☆現』応援プロジェクト」に選ばれ、活動資金を得た。
渡航ができない分、現地からカカオ10キロを自分たちで仕入れ、ムッシュコウノヤの協力を得て洋菓子に。3月にはスーパーと校内で販売し、現地の難民の状況も伝えた。
市川さんと西井さんは今春卒業し、現在は2、3年生6人が2人の意志を引き継ぐ。今後、地域の子どもたちにカカオ豆がチョコになるまでの工程を伝える授業や、ホットチョコレートなどのさらなる商品開発に力を入れるつもりだ。
3年の南さん(17)は「早く現地に行き、実際の様子を見てみたい」と期待を膨らませている。
(2022年4月8日 中日新聞朝刊中勢版より)
高田高校(津市一身田町)の生徒でつくるNPO「INAANZA(イナンザ) MIE」が、アフリカ東部のウガンダで難民として暮らす子どもたちにチョコレートの作り方を教えることを目標に活動に励んでいる。新型コロナウイルス禍で渡航の目途が立たない中、現地のカカオ豆で作った洋菓子を地域で販売するなどし、渡航できる日に備えている。(鎌倉優太)
3月24日、津市内のスーパーの一角。イナンザの生徒ら6人が「ウガンダ産のカカオで作ったお菓子です!」と元気に買い物客らに呼び掛けた。地元菓子店「ムッシュコウノヤ」(西古河町)の協力を得て完成させたワッフル100個とフィナンシェ300個を完売した。売り上げはウガンダへの渡航費に充てる予定だ。
2019年6月、当時同校の1年生だった市川さん(18)と西井さん(18)が難民支援のアイデアを提案する「未来ドラフト2019」(国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン主催)に参加したのが活動のきっかけ。ウガンダの難民居住地にいる子どもたちへの「一生忘れられない授業」を考えることが大会のテーマだった。
2人は下調べを進める中で、ウガンダではカカオ豆を多く生産しているにもかかわらず、難民居住区で暮らす子どもたちの多くがチョコの味を知らないということを知った。大会では、40度の気温でも溶けないチョコの作り方を伝える授業を提案。来場者の投票で選ばれる「オーディエンス賞」を受賞したが、現地でアイデアを実現できるグランプリには届かなかった。
大会後、2人はアイデアを実現しようとNPOを設立。英語で授業用の冊子を作ったり、子どもたちに教えられるように試作したりと準備を進めた。昨年夏にはコロナ禍での子どもたちの活動を支援する県主催の「みえの子ども『夢☆実☆現』応援プロジェクト」に選ばれ、活動資金を得た。
渡航ができない分、現地からカカオ10キロを自分たちで仕入れ、ムッシュコウノヤの協力を得て洋菓子に。3月にはスーパーと校内で販売し、現地の難民の状況も伝えた。
市川さんと西井さんは今春卒業し、現在は2、3年生6人が2人の意志を引き継ぐ。今後、地域の子どもたちにカカオ豆がチョコになるまでの工程を伝える授業や、ホットチョコレートなどのさらなる商品開発に力を入れるつもりだ。
3年の南さん(17)は「早く現地に行き、実際の様子を見てみたい」と期待を膨らませている。
(2022年4月8日 中日新聞朝刊中勢版より)