三重県松阪市の三重高校ダンス部が、新型コロナウイルス禍の暗い雰囲気を払拭（ふっしょく）しようと、全国のダンス部や学生らに募って編集したダンス動画が完成した。２日から動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。全国の計４２３人が出演。部長の柳瀬さん（１７）は「画面上だけど全国の人と踊れて楽しかった。ぜひ見てほしい」と話す。　（清水悠莉子）

　三重高のダンス部員たちは、新型コロナの影響で臨時休校中の４月、自宅で撮影した動画を画面上に分割表示する「在宅ダンス」動画を作った。「密」を防ぐため１つの場所に集まりづらい中、画面上でダンスを合わせられた喜びや楽しさを多くの人に感じてもらおうと、第２弾として５月に部員以外の参加者を募り、編集を続けてきた。

　会員制交流サイト（ＳＮＳ）などを通じて参加を呼びかけると、久米田高校（大阪府）や宝仙学園高校（東京都）などダンスの強豪校をはじめ、青山学院大（東京都）、中京大（愛知県）など全国から２１団体が参加。小学生から４０代までの個人もいる。

　振り付けは、三重高の生徒が休校中にテレビ電話などで会議を重ねて作った。初心者も楽しく踊れるよう、手足を大きく使う動きやコミカルな動きを入れた。

　参加者らは自宅や屋外で、携帯電話会社のＣＭ曲としてヒットしたロックバンド「ハーフタイムオールド」の曲「みんな自由だ」に合わせ、ロックダンスやブレークダンス、鳴子を使った「よさこい」と、さまざまな工夫を凝らした踊りを披露。兄弟やペットと出た人や、料理やギターに挑戦する「おうち時間」を紹介する人もいて「在宅」ならではとなった。

　参加者からは「楽しかった」「すてきな企画をありがとう」とコメントが寄せられている。柳瀬さんは「楽しく踊ってもらえてうれしいし、企画して良かった。動画を見る人にも元気を与えられたら」と話した。

■全国の参加者も交えて制作した在宅ダンス動画のURL
https://m.youtube.com/watch?v=u-YQel1cqXY

（2020年9月8日　中日新聞夕刊1面より）