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高校野球 スポーツ  2020.08.13

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中京大学附属中京高等学校

「無敗」 中京大中京の執念 高校野球交流試合

智弁学園にサヨナラ勝ちし、整列する中京大中京ナイン=12日午後、甲子園球場で

智弁学園にサヨナラ勝ちし、整列する中京大中京ナイン=12日午後、甲子園球場で

 中止になった今春の選抜高校野球大会に代わり、甲子園球場での交流試合に出場した中京大中京高校(名古屋市昭和区)は12日、智弁学園(奈良)を延長10回タイブレークの末に4-3で下した。新型コロナウイルスの影響で思うような練習ができない中、見いだした「公式戦無敗」の目標を達成し、有終の美を飾った。

 10回裏、相手の二塁手のグラブから打球がこぼれたのを見逃さなかった。三塁走者が生還しサヨナラ勝ちが決まると、ベンチから笑顔の選手たちが飛び出した。「交流試合でも真剣勝負」。3年だけで臨んだ一戦。勝利への思いの強さが表れた執念の1点だった。

 昨秋の明治神宮大会を初制覇し、春の選抜大会で優勝候補に挙がった。コロナの感染拡大で開催中止となり、夏の選手権大会に照準を定めたが、同様に中止となった。全体練習も約2カ月間できなかった。印出(いんで)太一主将(3年)は「モチベーションを維持するのが難しかった」。チームメートは気丈に振る舞っていたが、練習では集中力を欠くこともあった。

 「このまま終われない」「でも、どうしたらいいか」。チームでミーティングを重ね、昨夏にこのチームになってから続く公式戦勝利を続けることを目標に定めた。「無敗」と書いた紙をグラウンドに掲げ、昨秋の大会の19勝に、今夏の愛知県独自の大会で8勝を積み上げた。

 そして、甲子園での1勝。無敗の28連勝を達成した。試合終了のサイレンが響いた後、整列した選手たちは胸を張って校歌を聞いた。印出選手は「(例年の)大会がなくなったことや仲間との練習を思い出した」。同校の選手・監督で甲子園優勝を経験した祖父を持ち、右翼手で先発した杉浦文哉選手(3年)は「苦労をともにした仲間と同じ舞台に立てて良かった。ベストを尽くした」と振り返った。(鈴鹿雄大)

(2020年8月13日 中日新聞朝刊24面より)

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