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お知らせ 2020.07.29

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修文女子高等学校

離れていても「花は咲く」 修文女子高 ドイツの楽団とネット上で共演

ライン音楽学校と動画で「花は咲く」を共演する修文女子高吹奏楽部員ら=一宮市日光町の修文女子高で

ライン音楽学校と動画で「花は咲く」を共演する修文女子高吹奏楽部員ら=一宮市日光町の修文女子高で

 一宮市日光町の修文女子高吹奏楽部と、ドイツ・ケルン市ライン音楽学校ユース吹奏楽団が、東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」を「テレワーク」で共演した。新型コロナウイルスの感染拡大で直接の交流が難しい中、生徒らは音楽を通じてつながれることを体感した。 (下條大樹)

 動画では、両校生徒らが楽器を演奏する映像が次々と切り替わり、迫力のある響きを披露している。終盤は画面いっぱいに全員が集結する。

 修文女子高は2月の「中部日本個人重奏コンテスト」西尾張地区大会に参加。打楽器三重奏では1位の成績を収め、初の県大会出場を決めた。本番に向け、練習を重ねていたが、感染拡大で大会が急きょ中止となり、学校も休校に。舞台を失った生徒らは心の整理が付けられないでいた。

 そんな中、各演奏者が自身の演奏風景を撮影し、それらを集めて動画を編集する「テレワーク合奏」に注目。5月に、テレワーク合奏で共演相手を探していたライン音楽学校の存在を知り、コラボが決まった。

 修文女子高は、打楽器や金管、木管楽器を担当する2~3年の12人と、顧問の村山茂雄教諭(50)が参加。ライン音楽学校は12~23歳の60人が演奏した。同校指揮者のミヒャエル・ロジナスさん(40)が全体を取りまとめた。

 「花は咲く」の曲目はライン音楽学校側が提案。同校は2017年に仙台市の高校を訪れ、震災について学び、生徒らと同曲を演奏した。ミヒャエルさんはメールで本紙の取材に応じ、この曲は「日本との、とても強い友情の証し」と思いを記し、コロナ禍での厳しい状況下だからこそ、今回の共演にこの曲を選んだ。

 両校の生徒らはそれぞれ、教室や自宅で演奏した様子をタブレット端末などで撮影。鉄琴を演奏する2年の女子生徒は「普段とは違う緊張感があり、何度も撮り直した」と振り返る。村山教諭とミヒャエルさんが映像データをインターネットで共有し、6月末に動画が完成した。

 ミヒャエルさんは楽団を代表し、「私たちはこの国際的なプロジェクトで一層の結束と忍耐の大切さを示し、全員で喜びを分かち合いたい」とコメントした。3年の女子生徒は「離れていても共演できてうれしいし、楽しかった」と笑顔。別の3年の女子生徒は「大会が無くなったのは残念だけど、他にもコラボできたらいいな」と話した。動画は修文女子高ホームページで見ることができる。

(2020年7月29日 中日新聞朝刊尾張版より)

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