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高校野球 スポーツ  2020.07.20

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高校野球 夏季大会2020 仲間と勝ちたかった 中部大第一・吉川選手 唯一の打点で一矢

東邦-中部大第一 1回裏中部大第一1死満塁、中前適時打を放つ吉川選手=熱田愛知時計120スタジアムで

東邦-中部大第一 1回裏中部大第一1死満塁、中前適時打を放つ吉川選手=熱田愛知時計120スタジアムで

 夏季県高校野球大会第6日となる19日、県内10球場で2回戦23試合、3回戦7試合があった。東邦は昨春に敗れた中部大第一にコールド勝ち。強豪の私学4強や至学館などが順当に勝ち上がった。大会第7日は23日、7球場で3回戦21試合を予定している。

 中部大第一の吉川斗真選手(3年)はチーム唯一の打点を挙げ、一矢報いた。コールド負けに「本当に悔しい」と、試合を振り返りながら何度も繰り返した。

 先輩と一緒に主力の1人として試合に出場してきたが、昨年春から1年間、ヘルニアの治療で実戦から遠ざかった。スタンドから応援した昨春の県大会。春の甲子園を制した直後の東邦に2回戦で勝利し、「野球王国・愛知」の頂点に立った。

 離脱していなければグラウンドで喜びを分かち合えたはず。募る思いを胸にリハビリを繰り返し、ようやく復帰。今大会の組み合わせ抽選で、東邦との対戦が分かると心に誓った。「自分が貢献して勝つ」

 1回裏1死満塁、狙っていた直球を中前にはじき返した。この日は2安打1打点。守っては、プロ注目の強打者の打球を手堅くさばいた。もがいた分の鬱憤(うっぷん)を晴らしたように見えた。

 でも、喜べなかった。普段は冗談を言う周りの選手らは試合後、ベンチで悔し涙をこぼしていた。「チームが活躍した試合も、厳しい練習も一緒だった仲間と勝ちたかった」 (鈴鹿雄大)

(2020年7月20日 中日新聞朝刊県内版より)

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