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お知らせ スポーツ  2020.05.20

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安城学園高等学校

部活動 模索を糧に 安城学園高 ネット活用「大きな経験」

金子監督(左)とビデオ会議で情報交換するバスケ部員ら=安城市の安城学園高で

金子監督(左)とビデオ会議で情報交換するバスケ部員ら=安城市の安城学園高で

 新型コロナウイルス感染拡大で休校が長引き、部活動も生徒を集めた指導ができない状態が続く。全国大会出場など強豪チームの多い安城市の安城学園高校でも、顧問らが練習内容や部員たちとのやりとりにネットを活用するなど工夫を凝らし、技術、心理面の双方を支えている。試行錯誤する教員らは「今後の活動を考える上で大きな経験になった」と手応えを口にする。(四方さつき)

 昨年のインターハイ(全国高校総合体育大会)で優勝者を出した陸上競技部は、動画投稿サイト「ユーチューブ」を活用する。基礎トレーニングの方法や、卒業生からのアドバイスを公開。生徒は自主練習の様子を撮影した動画を顧問の早川周吾教諭や石田桂教諭に送り、メールで指導を受ける。2人の顧問が漫才形式で部を紹介する動画は、入学を希望する中学生の注目を集め、来春の選手獲得への布石ともなっている。

 歌手の星野源さんが歌う「うちで踊ろう」のコラボ動画が人気音楽番組で取り上げられたのは吹奏楽部だ。87人の部員によるリモート合奏で、西部部長(17)は「離れていても音楽はできるし、多くの人に感動を届けられると知った」と喜ぶ。「三密」状態を避けるため、これまでのような練習は今後も難しいが「皆で演奏会を開く日が来てほしい」と待ちわびる。

 名門敦賀気比高(福井)出身の増永和大監督が率いる野球部は、毎日30~60分のビデオ通話をグループごとに実施。フォームや体幹トレーニングの様子をその場でチェックする。監督からの指示はマネジャーの2年門脇さん(16)と同中川さん(16)が部員に伝達。目標や課題を書く野球ノートを取りまとめるのも2人の仕事だ。増永監督は「2人のおかげで、休校中の時間が無駄にならなかった」と感謝する。

 全国各地から有望選手が集まり、部員の大半が寮生活を送る女子バスケットボール部。現在は寮を離れ、県内外の自宅での自主練習のほか、運動生理学や栄養学、心理学などを各自で学び、成果をメールで送り合う。キャプテンの片山さん(17)は「今できることにしっかりと取り組めている」ときっぱり。金子寛治監督は「自分自身の向上が第一目標。生徒たちの努力で充実した期間になっている」と評価した。

 制限が緩和され、学校の再開が決まったものの、以前のような部活動がいつ始められるかは分からない。教員らは「この経験を無駄にせず、生徒とともに新しいやり方を模索する」と意気込む。

(2020年5月20日 中日新聞朝刊西三河版より)

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