大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開催中の全国高校ラグビー大会で、県代表の中部大春日丘（春日井市）は３０日、２回戦で札幌山の手（南北海道）と対戦。１９－０で勝利した。１月１日の３回戦で常翔学園（大阪第二）と対戦する。

　降りしきる雨の中、中部大春日丘は前半開始直後、キックを試みた相手選手にチャージをかけたフランカー吉田柊也選手（２年）がボールを奪い、そのまま持ち込んでトライ。後半にもプロップ田中希門（まさと）選手（３年）とセンター笠井将英選手（３年）がトライを重ね、突き放した。

　宮地真監督は「雨の中でミスが多くなることは分かっていたが、ラッキーな得点もあり、前半から優位に立てた」と話した。

■姫野効果でチーム成長

　ロースコアの重苦しい雰囲気を、プロップ田中希門選手（３年）のタックルが一変させた。

　後半開始早々。日本代表リーチ・マイケル選手の母校札幌山の手で、「リーチ二世」と称されるタモエフォラウ選手（３年）がボールを持った瞬間だ。田中選手が福田大晟（たいせい）選手（２年）と２人がかりで低いタックルを突き刺すと、体重１３０キロ近いタモエフォラウ選手がたまらず倒れ込んだ。

　「ミスが続いていたチームに良い流れを与えられた」と自賛するプレーに仲間も発奮する。後半１０分には宮坂航生選手（３年）がゴール前に迫ると、混戦から田中選手がねじ込み、待望の追加点を挙げた。

　相手が「リーチの母校」なら、中部大春日丘は日本代表の姫野和樹選手の母校だ。「姫野の出身校だという注目が選手に自覚を促した」と宮地監督。田中選手も「姫野選手に負けないように」とほぼ毎日、自主的にウエートトレーニングに取り組む。

　次戦は強力フォワード陣を擁する常翔学園だが、田中選手は「フォワード戦で勝てれば試合にも勝てる」と強気だ。“姫野効果”で成長したチームが、勢いに乗っている。（大野雄一郎）

（2019年12月31日　中日新聞朝刊県内版より）