お知らせ 2025.08.06
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原爆で「生き地獄」 口閉ざした母 名古屋たちばな高 被爆体験伝承者が講演

母の久子さんの被爆体験を語る谷口さん=中区伊勢山1の名古屋たちばな高で
谷口さんは、小学5年生の時に原爆投下で家族6人を失い孤児となった母久子さん(91)=広島市佐伯区=の悲惨な体験と平和への思いを披露し、全校生徒約1200人が耳を傾けた。
被爆者に対する差別などにも苦しみ「この生き地獄は経験者以外には理解してもらえない」と口を閉ざしていた久子さん。当初は谷口さんもつらい経験を思い出させたくないと感じていたが、母親の代わりに語れるのは自分しかいないと、伝承者としての活動を始めたという。講演では、一人一人が「平和を守るのは自分だ」と考え、自分の言葉で戦争の悲惨さを伝え続けていくことが重要だと述べた。
3年の生徒(18)は「母親の経験を自分で語り継ごうとする谷口さんのように、今日学んだことを自分の家族や友人に伝えていきたい」と振り返っていた。(伊藤聖笑)
(2025年8月6日 中日新聞朝刊市民総合版より)