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お知らせ 2025.07.16

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豊田大谷高等学校

悲しみ、怒り 再犯防止を 殺人被害者遺族 永谷さん、豊田大谷高で

長女が殺害された事件について語る永谷さん=豊田市保見町の豊田大谷高で

長女が殺害された事件について語る永谷さん=豊田市保見町の豊田大谷高で

 1999年に西尾市で起きた「西尾ストーカー殺人事件」で、当時高校2年生だった長女を殺害された永谷博司さん(74)が15日、豊田市保見町の豊田大谷高校で講演した。日常が突然、奪われることへの深い悲しみや怒りの訴えに、全校生徒約800人が耳を傾けた。

 永谷さんの長女英恵(はなえ)さんは99年8月、登校中の路上で、一方的に好意を寄せられた当時17歳の少年に刺殺された。永谷さんは講演で、家族写真を見せながら英恵さんとの思い出を振り返り、事件当日に現場で目にした光景や心境を生徒らに語った。

 元少年が医療刑務所を出所後、2012年に蒲郡市で傷害事件を起こしたことにも触れ、再犯防止の施策を強化すべきだと主張。「罪と向き合い、人の気持ちを考えられるようになってほしい」と訴えかけた。

 3年の生徒(17)は、英恵さんが直前まで家族と楽しく旅行にでかけていたことを知り、「今自分に起きる可能性もある」と身近に感じたという。「加害者が罪を償っても、被害者遺族には重いものが残る。自分の身も、周りの人の命も大切にしたい」と話した。

 公益社団法人被害者サポートセンターあいちと豊田署による「命の大切さを学ぶ教室」の一環。県内の中学校、高校で犯罪被害者遺族による講演を実施し、支援の必要性などを訴えている。(堀百花)

(2025年7月16日 中日新聞朝刊豊田版より)
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