お知らせ 2025.07.09
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被爆者の苦しみ 想像して 名経大高蔵高で被団協・金本さん講演

核兵器廃絶への思いを語る被団協の金本さん=瑞穂区の名古屋経済大高蔵高で
昨年、ノーベル平和賞を受けた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表理事金本弘さん(80)=守山区=の講演が瑞穂区の名古屋経済大高蔵高校であり、2年生332人が被爆者の思いに耳を傾けた。(都沙羅)
生後9カ月の時、広島市の爆心地から約2.5キロの場所で被爆した金本さんは、長年にわたり被爆体験の継承や核廃絶運動に尽力。昨年12月、ノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞授賞式にも出席した。
4日にあった講演で、金本さんは被爆直後の写真や被爆者が描いた絵を見せ、原爆による爆風や放射線がどれほど恐ろしいものだったかを説明。15歳上の姉におんぶされて逃げた自身の体験を語った。金本さんは「戦争の話はつらいからしたくないが、被爆者の苦しみを想像してもらうために話している」と講演への思いを語り、「核兵器は被爆者や核保有国だけの話ではない。若い皆さんが平和な世界で暮らすため、核兵器の保有に反対してほしい」と訴えた。
男子生徒(16)は「被爆後の街の様子はむごくて言葉にならなかった」と驚いた表情。女子生徒(16)は「私たちが被爆者の体験を未来の人に伝えていきたい」と話した。
同校が戦後80年に合わせて実施する平和学習の一環。講演後、平和への祈りをこめた合唱曲「HEIWAの鐘」を生徒たちが歌った。11月には、修学旅行で長崎市の平和公園を訪れる。
(2025年7月9日 中日新聞朝刊市民総合版より)