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お知らせ 2025.07.04

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菊華高等学校

温かい朝食 被災者らに 能登半島・七尾で6日 菊華高生 出張ボランティア

100円朝食の準備をする生徒ら=守山区の菊華高で

100円朝食の準備をする生徒ら=守山区の菊華高で

■「交流も楽しみたい」

 菊華高校(守山区)で朝食を提供するボランティアをしている同校生徒らが6日、昨年元日の能登半島地震で被災した石川県七尾市にオープンする無料カフェで出張営業をする。店を支援するNPO法人が仲介し、コラボが実現。生徒らは「おいしく温かい食事で喜んでもらい、交流も楽しみたい」と意気込む。 (寺田結)

 メインメニューは「ひつまぶし風おにぎり」。細かく切って炒めたちくわと、かば焼きのたれを混ぜ込む。さらにだし巻き卵と、玉ふやワカメを入れた赤だしのみそ汁もセットに。いつもはワンコインの「100円朝食」として販売するが、6日は無料にする。約100食分を約25人で準備する。

 100円朝食を始めたのは昨年5月のこと。保健体育教諭の金尾文子さんが、朝食を食べない生徒が多いことを心配し、栄養を取ってもらうために企画した。生徒も続々とボランティアに参加し、関わった人数は60人ほどに。現在は普通科フードクリエイトコースの生徒を中心に毎週水曜日の朝に活動し、利用する生徒同士の交流も促している。

 活動の傍ら、金尾さんは能登の被災地支援について調べていた。かつて阪神淡路大震災のボランティアに参加し、能登も気にかけていたところ、炊き出しなどをする岡山県のNPO法人「災害支援団Gorilla」を知った。食事内容の改善や、食を通した交流を推進する理念に共感し、連絡すると「生徒とカフェに来たらどうか」と誘われ、すぐに能登行きを決めた。

 カフェは被災者が住む仮設住宅に近い場所で、週2回開く。部屋に引きこもりがちな住民を交流の場に呼ぶことが狙いで、市内のフードバンクに集まった食材を使い、無料で飲料や菓子などをふるまう予定だ。

 運営する飛田とし子さん(76)は「若者が来てくれるだけで、私たちは元気をもらえる。気負わずいつも通りに、楽しい学校生活のことなどを聞かせてほしい」と期待する。

 参加する生徒も楽しみにしている。3年の生徒(17)は「皆さんに満足してもらえるよう、味だけでなく見た目にもこだわった料理を作りたい」。1年の生徒(16)は「被災地の復興状況が気になる。お客さんの今の生活について聞き、その経験を友人や家族らに伝えたい」と話した。

(2025年7月4日 中日新聞朝刊市民版より)
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