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お知らせ 2025.06.15

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愛知高等学校

能登支援 愛知高に広がる輪 ボランティアに生徒延べ300人

親指で能登半島を表現する生徒ら。多くの人の被災地支援を呼びかけている=千種区の愛知高で

親指で能登半島を表現する生徒ら。多くの人の被災地支援を呼びかけている=千種区の愛知高で

 愛知高(千種区)の生徒有志が、ボランティアとして能登半島地震の被災地に通い続けている。岐阜県美濃市を拠点に被災地の支援に取り組む一般社団法人「チームメディカル」の活動に加わり、延べ約300人が参加した。地震は発生からまもなく1年半。活動の輪を広げつつ、変わらぬ支援を呼びかけている。 (大野沙羅)

■炊き出しや片付け 被災地と向き合う

 生徒たちは昨春から被害の大きい石川県の珠洲市や輪島市、能登町などで被災者の支援活動に取り組んでいる。協力を得た日本航空高校石川(輪島市)の寮を宿泊拠点とし、土日や大型連休に炊き出しや被災した建物の片付けを手伝う。美濃市の畑でニラなどの野菜を育てて被災者に届ける。

 チームメディカルは2022年、看護師らが立ち上げた。代表理事の杉本尚美さん(57)によると、これまでの災害で支援活動の受け入れ対象は大学生以上が中心だったが、能登半島地震で初めて高校生を受け入れた。愛知高の生徒らとは毎月2~4回被災地に足を運び、支援活動を続ける。

 2年の杉江さん(16)は、親戚が金沢市に住んでいることがきっかけで、昨年5月の連休を利用し、支援活動に初めて参加した。火災で壊滅的な被害を受けた輪島朝市などを目の当たりにし「ショックだった。行かないと分からないことがたくさんあった」と振り返る。

 被災した寺の屋根から瓦を一枚ずつはがして集めたり、がれきの片付けをしたり…。支援活動を通して、杉江さんは「被災者の人が当たり前の日常を取り戻して安心できるようになるまで支援が必要だ」と実感したという。

 同じく2年の明翫(みょうがん)さん(17)は昨年5月から10回以上、活動に参加してきた。「自分の行動が誰かの喜びにつながることがやりがい。コミュニケーションが苦手だったが、被災地の人と関わり、自分自身の成長も感じる」と話す。被災地には今後も足を運ぶといい、「被災者の孤独を解消するために仮設住宅での支援に力を入れたい」と意気込む。

 一方で、部活動や勉強などで忙しく、支援活動を継続させられる生徒は多くはない。明翫さんらは今月13日、同校でボランティアに関心のある1~2年生約40人を集め、自分たちの活動を報告した上で参加を呼びかけた。杉本さんは「活動に参加するうちに生徒たちも臨機応変に動けるようになっている。災害ボランティアを担う次世代のリーダーを育てたい」と話した。

(2025年6月15日 中日新聞朝刊市民版より)
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