高校野球 2025.05.27
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春季東海高校野球 決勝は三重県勢対決 1998年以来

岐阜城北-三重 6回裏三重2死二塁、早川選手が勝ち越しとなる中前適時打を放つ=ダイムスタジアム伊勢で
決勝は27日、同球場で行われる。三重県勢同士の対決は、1998年の四日市工-鈴鹿以来。(右田誠弥)
■三重 後半逃げ切る
中盤までのシーソーゲームを後半で加点した三重が逃げ切り、岐阜城北を制した。
三重は六回、早川の適時打で勝ち越しに成功すると、東川の適時三塁打で続き、計2点を奪った。八回には、1死三塁から早川の犠飛で1点を追加した。守っては中盤から吉井、有原の継投で無失点に抑えた。
岐阜城北は六回以降、打線がふるわなかった。
■三重・2番 早川選手 光る勝負強さ
2番打者の勝負強さが光った。同点で迎えた六回2死二塁、三重の早川選手(3年)に打順が回った。前の打席は得点圏に走者が2人いる好機の場面で投ゴロだった。「次こそ自分が決めよう」と誓ってバットを握った。
サインはない。球際を見極めたり、ファウルにしたりして粘った。5球目の高めの直球を捉えて中前へ。勝ち越し打となり「良かった」と塁上で小さくガッツポーズした。
今春の県大会から打順が7番から2番に上がった。後続に強打者が控えるため進塁打を心がけ、選球眼を磨いてきた。八回1死三塁の場面で打席が回ると「とにかく外野までボールを飛ばそう」と中翼に犠飛を放ち、追加点を奪った。
昨年、先輩野手が積極的にごみを拾う姿勢に感銘し、自身も実践する。この日の試合前には、グラウンドで落ち葉を見つけ拾ったという。「これで気持ちを落ち着かせられた」と笑う。
優勝すれば2014年以来11年ぶり。同年には、全国高校野球選手権で準優勝を果たしている。早川選手は「何としても勝って、夏につなげていきたい」と決勝に向けて気合十分だ。(北村太一)
■津田学園 逆転勝ち
津田学園が接戦を耐えて幸運を呼び込み、豊川に逆転勝ちした。
津田学園は一回に先制すると、三回1死二、三塁からから田北の二ゴロで1点を追加した。その後、逆転を許すも、八回に相手の暴投と失策が重なって4点を入れ、逆転した。
■桑山投手 3失点完投
完投した津田学園のエース桑山投手(3年)は、強打線の豊川を3失点に抑え、苦しい試合を勝ちきった。
1回戦で19安打17打点を挙げた豊川を相手に、七回までは1失点。しかし八回表、1死一、二塁で、甘く浮いたスライダーをスタンドへ運ばれた。「ランナーがいる焦りもあった」と振り返る。高校の公式戦で初めて浴びた本塁打だった。
だが豊川の打者走者が先行を追い越してしまったためにアウトで2失点に留まり、裏の攻撃では敵失などで逆転。九回は手堅く3者凡退に抑えた。運も味方した勝利に、「1球で終わることが身に染みた」と表情を引き締めた。
▽準決勝
岐阜城北 103010000|5
三重 03020201x|8
(岐)水野、田立、長屋、吉村興、横山、町田-滝戸
(三)皿井、三好、吉井、有原-東出、大西
豊川 000010020|3
津田学園 10100004x|6
(豊)平野、中西、田原-近藤
(津)桑山-犬飼
(2025年5月27日 中日新聞朝刊三重総合版より)