お知らせ 2025.02.06
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CO2削減研究で環境相表彰 高田中・高 名産大と共同で取り組み
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前葉市長(左)を表敬した高田高生ら=津市役所で
■校内での濃度掲示 光合成実験を多言語発信
この表彰は、CO2の削減や脱炭素社会の実現に向け、必要な対策や実習調査を実施し、優れた功績を残した個人や団体に贈られる。同校は2017年に高大連携を結び、研究を共に進めてきた名古屋産業大環境経営研究所(愛知県尾張旭市)と共同で受賞した。
生徒らは校内で排出するCO2の排出量を実質的にゼロにすることを目標に、校内のCO2の濃度を測定し、モニターに掲示することで生徒らに環境に対する意識を高めてもらったり、学校に隣接する森が、CO2の吸収源としてどれほどの価値があるのかを、樹木のCO2の吸収量を調べたりして考察してきた。
この他にも、植物の光合成実験でCO2の濃度が変化した様子などを動画にまとめ、中国語やベトナム語など多言語で発信した取り組みも評価された。動画は海外の学校の環境学習で活用されているという。
受賞した研究活動は、同校が22年から加盟する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「ユネスコスクール」の取り組みの一環。1月30日には、研究に関わった生徒らが津市役所を訪れ、前葉泰幸市長に結果を報告した。
代表で訪問した草深さん、九鬼さん=いずれも高校2年、(17)=は、1年生のころから活動を続けてきた。草深さんは「カーボンニュートラルがどういうものなのか、活動をやってみないと分からないので、良い機会と思って始めた」と参加した思いを語った。
また、これまでの環境学習の内容をまとめて発信した動画も評価され、環境省の「環境教育・ESD実践動画100選」にも選ばれた。放送部として制作に関わった同3年の桑名さん(18)と同2年の藤井さん(17)も訪問。藤井さんは「ぜひ多くの人に知っていただきたいので、大きな賞をいただけてありがたい」と話した。
一方、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、30年までに陸海の30%以上を健全な生態系として保全するとの国際目標「30by30目標」が採択されたのを受け、環境省は生物多様性が保全されている区域を「自然共生サイト」に認定している。同校では現在、隣接する森の認定を目指し、環境実習を続けているという。
(2025年2月6日 中日新聞朝刊鈴鹿亀山版より)