お知らせ 2025.02.01
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戦争ダメ 生徒の祈り、映画に 「なごや平和の日」題材に製作

映画「80年後のあなたへ」の撮影で、「平和の碑」(手前)が登場するシーンに臨む俳優ら=31日、名古屋市名東区の東邦高で
名古屋空襲の犠牲者を悼み、名古屋市が昨年制定した「なごや平和の日」(5月14日)を題材にした映画「80年後のあなたへ」の製作が進んでいる。制定を後押しした東邦高校(名古屋市名東区)の生徒たちをモデルにした青春群像劇で、今春の公開に向け、31日には同校で冒頭場面が撮影された。
映画は、平和の日制定後、これからの活動や、自分たちの将来に悩みながらも、未来に向けて動き出す姿をフィクションを交えて描く。監督は北川瞳さん、脚本は映画「新聞記者」(2019年)を手がけた高石明彦さん。全編、愛知県内で撮影する。
同校は前身の東邦商業学校時代、生徒や教員ら22人が勤労動員中に空襲で亡くなった。10年ほど前から生徒たちが犠牲者を悼む日の制定を市や市議会に働きかけ、「なごや平和の日」が昨年実現。5月14日は、空襲で名古屋城天守閣が焼失した日に当たる。
この日は、校内にある「平和の碑」の前で生徒たちが祈りをささげるシーンなどを撮った。同校の生徒会正顧問で、生徒たちの活動を長年にわたり見守ってきた古田知子教諭は「高校生が市議会を動かした。その話を取り上げてもらえることはうれしい」と喜ぶ。
映画は、地方と若手俳優の発掘を目的に制作会社などが2020年に始めたプロジェクトの一環。戦後80年の節目の年として、平和への願いを込めている。オーディションで選ばれた若手たちが出演する。
(2025年2月1日 中日新聞朝刊28面より)