高校野球 2019.08.06
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誉の家電販売業・矢幡監督 強打の八戸学院光星 3割4割5割抑えます 初聖地でも大物食い

校名変更から10年での初出場!! 甲子園練習でグラウンドに駆け出す誉ナイン(黒田淳一撮影)
■尾関学園から09年校名変更 部員7人から
全国で最多の188チームの頂点に、ノーシードから駆け上がった誉が立った。尾関学園から2009年に校名変更し、10年の節目での栄冠。林山主将は「目標は全国制覇。でも先を見ず、一戦一戦を大事にして、目の前の相手を倒していきたい」と意気込む。
愛知大会では、4回戦で昨夏の西愛知代表・愛工大名電に逆転勝ち。東邦と享栄を破った星城を準々決勝で、中京大中京を準決勝で倒した。次々に大物を倒しての初優勝に、矢幡真也(やわた・まさや)監督(46)は「(ジャイアントキリングと言われ)そういうことにしておいてください」と照れ笑いする。
その矢幡監督は、美濃加茂(岐阜)の左腕エースとして1990年夏の甲子園に出場。社会人の阿部企業でもプレーした。現役引退後は犬山市で家電販売業を営みながら、犬山南のコーチを務めていた。すると、その指導ぶりが商品を納入していた尾関学園の関係者の目に留まり、監督就任依頼が舞い込んだ。
06年の就任時は部員7人。キャッチボールすら、ままならないようなレベルだった。「そんな子たちでも、監督のために強くなりたいと言ってくれたんです。僕の原点です」と矢幡監督。部員が増えるにつれて結果も出始め、14年秋、18年春に県大会優勝。そして、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。
■完成度「90%」
愛工大名電戦後、矢幡監督は「今のチームの完成度は50%」と選手に伝えた。その後、勝つたびに10%ずつプラスし、現時点では90%。「甲子園で1つ勝って100%になるんです」。聖地で校歌を高らかに歌い上げた時、チームが完成する。 (麻生和男)
(2019年8月6日 中日スポーツ9面より)