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お知らせ 2023.11.03

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安城学園高等学校

復興、平和への願い 語らう ウクライナ避難民と福島の被災者交流

取り組みについて紹介する安城学園高の生徒ら=安城市小堤町で

取り組みについて紹介する安城学園高の生徒ら=安城市小堤町で

 ロシアによる侵攻が続くウクライナからの避難民や、東日本大震災で被災した福島県の住民らが、復興や平和への願いを語り合う交流会が、安城市小堤町の安城学園高校で開かれた。故郷を案じる避難民の声や、福島の復興支援に取り組む生徒らの活動内容が紹介され、来場者は平和への気持ちを新たにした。(白名正和)

■ヒマワリがつないだ縁 安城学園高生も取り組み紹介

 同校は、福島のNPO法人からヒマワリの種を買って育て、収穫した種を福島へ送る全国的な活動「福島ひまわり里親プロジェクト」に、2018年ごろから参加している。ロシアがウクライナに侵攻して以降は、ヒマワリがウクライナを象徴する花であることから、安城に避難してきたウクライナ人への支援活動にも取り組んでいる。

 交流会は「ひまわり畑に沈む平和の夕陽(ゆうひ)」と題して10月28日に開かれた。ウクライナ人のリディア・ザイエッツさんとルスラン・チェボタローフさん夫妻、首都キーウ在住で日本に戻っている葛西孝久さんと不二恵さん夫妻、福島県在住の山田沙也加さんと雅彦さん親子が参加した。

 リディアさん、ルスランさん夫妻は通訳を介して「両親がキーウに残っており、毎晩、無事であることが分かって初めて寝ることができる。心休まることはない」と心情を語った。葛西孝久さんは、現地の知人の写真や思い出を紹介し「ウクライナへの侵攻は、進行中の人災」と強調した。

 山田さん親子は、同校が参加するプロジェクトの内容を説明。生徒たちは福島を訪問した際の様子や、これまでの取り組みを写真を交えて伝えた。

 会場ではウクライナの学生が描いた、侵攻前の公園を題材にした「思い出の風景」、勝利と平和への願いが込められた「戦時のウクライナ」などの作品が展示された。

 交流会は、県内の高校などを会場にした「地域別県民文化大祭典2023」の一つとして開催。企画した2年の生徒(17)は「ヒマワリをキーワードに安城、ウクライナ、福島の思いをつなげることができた。今まで知らなかった情報も得ることができ、今後も活動を続けていきたいという気持ちが大きくなった」と話した。

(2023年11月3日 中日新聞朝刊西三河版より)

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