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高校野球 2023.10.29

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豊川高等学校 愛知工業大学名電高等学校

秋季東海高校野球 決勝は県勢対決 センバツ濃厚に

藤枝明誠に勝利し、笑顔の愛工大名電ナイン

藤枝明誠に勝利し、笑顔の愛工大名電ナイン

 第76回秋季東海地区高校野球大会は28日、岐阜市の長良川球場で準決勝2試合があった。県勢は、愛工大名電(愛知1位)が藤枝明誠(静岡1位)に10-6で勝利し、豊川(愛知2位)は宇治山田商(三重1位)に6-5でサヨナラ勝ち。それぞれ決勝進出を決め、さらに東海地区に3枠与えられている来春の選抜高校野球大会への出場が濃厚となった。決勝は29日午前10時から同球場であり、勝者は11月の明治神宮大会に出場する。

■豊川 宇治山田商にサヨナラ 主軸の活躍光る

 豊川が9回サヨナラで、宇治山田商との接戦を制した。豊川は3-5の9回、相手の失策と四球で1死一、二塁とし、林優が左前に適時打。3番・モイセエフの適時打で追いつき、続く中村の左前適時打で勝負を決めた。6回にも中村は適時打、8回には5番・北田が2点適時打を放つなど主軸の活躍が光った。

 宇治山田商は終盤までリードし継投で逃げ切りを図ったが、最後に力尽きた。

■モイセエフ選手 「自分信じ結果」

 頼れるスラッガーの適時打が、土壇場で試合を振り出しに戻した。

 2点差で迎えた9回、1点を返しなおも2死一、三塁。豊川の3番モイセエフ選手(2年)に打席が回った。「ベンチから『モイセエフまでつなげれば何とかなる』と声が飛んでいた。期待通りだった」と長谷川裕記監督。見事に内角の直球を右前にはじき返した。そして次打者の適時打でサヨナラが決まると、みんなと抱き合った。

 夏の県大会でも4試合で7安打、6打点と活躍したプロ注目の好打者。この日も、テンポ、制球もいい相手投手を他の打者が打ちあぐねる中、4安打。

 「俺に回せば同点にしてやるという強い気持ちで打席に入った。自分を信じて結果を出せて良かった」と満面の笑み。夢の甲子園も近づいたが、「次は県大会で負けた名電に雪辱を果たし、神宮の舞台に立つことが目標」とすぐに決勝に向け気持ちを切り替えていた。 (伊勢村優樹)

■愛工大名電 藤枝明誠の反撃かわす 16安打で大量点

 16安打で大量点を奪った愛工大名電が、藤枝明誠の追い上げをかわした。

 名電は1回1死三塁から石見の左前打で先制。2回に大泉が適時打、3回には石島が2点本塁打を放つなど、4回まで毎回得点の猛攻。6回に2点差まで追い上げられたが、その裏に5連打で畳みかけた。

 藤枝は6回に2点適時打や相手の失策で4点を返し、8回にも適時打で追い上げたが、反撃が遅かった。

■石島選手が意地

 4番の役割を果たした。愛工大名電の石島選手(2年)が3回裏1死二塁、左翼席中段へ本塁打。2安打2得点の活躍で、勝利をたぐり寄せた。

 1年生から甲子園大会に出場したが、今夏はベンチには入れず悔しい思いをした。苦手な低めの変化球を克服するため、マシン打撃を繰り返して新チームでは主砲の地位をつかんだ。本塁打は今年の公式戦では初。4打席目には低めの変化球を左前に運び、大きな自信につながったという。

 「びびったら結果は出ない」と、帽子のつばには「喧嘩(けんか)上等」の文字。決勝も変わらず強気に攻める姿勢で打席に入り、チームをけん引するつもり。「今は甲子園ではなくこの大会での優勝。そして神宮で優勝したい」と気を引き締めた。 (伊勢村優樹)

▽準決勝
宇治山田商 100002101|5
豊川 000001023|6
(宇)加古、田中-小泉
(豊)鈴木爽、中西-高橋
本塁打 小泉(宇)

▽準決勝
藤枝明誠 000004011|6
愛工大名電 12210400x|10
(藤)山田、日吉、筒井-皆川
(愛)大泉、伊東、古谷、礒田-板倉
本塁打 石島(愛)

(2023年10月29日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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