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お知らせ 2023.10.21

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杜若高等学校

養蚕からたぐる学びの糸 杜若高生が挑戦 30頭育て繭を収穫

大林さん(右端)、蓮尾さん(右から2人目)と繭を取り出す生徒たち

大林さん(右端)、蓮尾さん(右から2人目)と繭を取り出す生徒たち

 豊田市の杜若高校の2年生の生徒有志が、市内でカイコを育てる団体やシルク製品を販売するブランドと協力し、養蚕に取り組んでいる。9月から約30頭を育てて、20日には繭を収穫する「収繭(しゅうけん)」の作業があった。生徒たちは「カイコが成長し、繭をきちんと作ってくれてうれしい」と達成感をにじませた。(籔下千晶)

■「お世話のかいあった」 絹製品を考案へ

 市内では、稲武地区で養蚕が盛んで、2019年、天皇陛下即位に伴う祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」に使用される絹織物「繪服(にぎたえ)」は同地区から調進された。今年4月、同校の広藤浩教諭(57)が、同市産の絹を使ったブランド「カフコ・ダラ」の蓮尾智紗子さん(39)と知り合って稲武の養蚕の歴史について聞き、「生徒たちに豊田の歴史を知り、命についても考えてもらおう」と校内での養蚕を思い立った。

 広藤教諭の呼びかけに応じたのが、2年生の広瀬さん(17)、高橋さん(16)、河合さん(16)。9月下旬、カフコ・ダラにも協力し、同市内で養蚕している「とよた衣の里プロジェクト」の大林優子さん(43)からカイコを受け取り「まゆぷろ」と銘打って育て始めた。休み時間ごとにクワの葉を与え、朝夕にはふんを掃除。当初は約1センチだったカイコを3週間で約8センチまで成長させた。

 20日は、3人が厚紙で手作りしたカイコ用の「家」から繭を取り出した。今後は羽化させて観察したり、絹糸としての活用法を考えたりするという。

 広瀬さんは「成果を上げることができて満足。これからどんな絹製品を作るか考えたい」、高橋さんは「お世話のかいもあり、カイコがちゃんと繭を作ってくれてうれしい」と喜んだ。河合さんは「カイコの成長の早さに驚いたとともに、初めて知ることがたくさんあった」と話した。

(2023年10月21日 中日新聞朝刊豊田版より)

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