進学ナビ

HOME > 高校ニュース > 全て

高校ニュース

お知らせ 2023.07.20

この記事の関連校
名城大学附属高等学校  愛知産業大学工業高等学校

名城大付高 放送部が啓発動画 JICA中部協力、25日披露

イベントに向けて動画を撮影する生徒たち=中村区のJICA中部で

イベントに向けて動画を撮影する生徒たち=中村区のJICA中部で

 若者の非行を防ごうと、中村区の名城大付属高校放送部が啓発動画をつくっている。違法な仕事で高額報酬を得る「闇バイト」への応募防止がテーマで、25日に区内であるイベントでお披露目する。この催しの企画や進行も任されており、地域の大人たちの協力を得ながら部員たちが奮闘している。 (村松秀規)

■防げ 若者の闇バイト

 「彼らは自分たちの力で国を変えられると信じてデモをやり遂げた。その姿に心を打たれた」。13日、国際協力機構(JICA)中部(中村区平池町)で部員たちがビデオカメラを回しながら、2011年のエジプト革命を目の当たりにしたという職員の話に聞き入った。

 動画は、部員たちが考えたドラマ仕立てで、闇バイトに申し込もうとした高校生を中心に進む。校外学習でJICA職員の話を聞き、厳しい環境の中でも夢や理想を追う途上国の若者たちの姿を知り、安易に金目当てで行動することの至らなさに気付く、という流れだ。JICA中部の協力を得て、実際に職員に話をしてもらい、そのまま一場面として取り込んだ。

 25日に平池町のグローバルゲートで中村署が劇団四季などと連携して開く非行防止の啓発イベントに向け、署から依頼を受け、動画制作に挑んだ。主演を務める2年の生徒(17)は「協力してくれた大人の方々の期待を背負っている。いつも以上に良いものにしたい」と意気込む。このイベントには、全部員約30人が協力する。他にも当日の進行や寸劇を絡めたクイズといった企画、ポスターや県警の交流サイト(SNS)に投稿するショート動画の制作なども担い、各班に分かれて準備を進めている。

 生徒たちの企画や動画を監修する中村署生活安全課の鈴木信宏警部は「啓発の趣旨をしっかり捉えて、大人にはない発想で同世代に共感してもらえる内容になっている」と感謝する。

 放送部顧問の塩村円茄教諭(25)は「一生懸命何かをやろうとしている子どもたちに応えてくれる大人がいるんだということにも、子どもたちには気付いてほしい」と願い、部長(16)は「闇バイトを何とか思いとどまらせられるよう、みんなの気持ちを変えられるような内容に仕上げたい」と話している。

■「怪しいと思ったら相談」愛産大工高生、中署員に学ぶ

 交流サイト(SNS)を通して申し込み、犯罪の実行役となる「闇バイト」の実態を学ぶ授業が19日、中区伊勢山1の愛産大工業高校であった。講師の中署員が「闇バイトは犯罪。絶対にやらないで」と呼びかけた。

 講師を務めた中署生活安全課の亀井亜希子警部補は「闇バイトはSNSを通じて募集され、ニセ電話詐欺の受け子や出し子、強盗などの実行役になる」と説明。「(応募すると)犯罪組織の手先として利用され、犯罪者になってしまう」と強調した。

 6月半ばには中区大須3の時計店で強盗未遂事件が発生し、逮捕された実行役ら4人が「闇バイトに応募した」と供述していることも紹介。「もし応募したバイトが闇バイトだったら、誰かに相談して必ずやめてほしい」と呼びかけた。

 2年の生徒(16)は「闇バイトかどうかを見極めるため、仕事内容をネットで検索したり、先生に相談したりしたい。目先の情報にとらわれないようにする」と話した。2年の生徒(16)も「怪しいと思ったら親に相談したい」と話した。 (成田嵩憲)

(2023年7月20日 中日新聞朝刊市民版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ