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お知らせ 2023.01.18

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桜丘高等学校

阪神大震災から28年 灯籠に明かり 被災地へ祈り 桜丘高 「孫便りの会」が追悼集会

被災地の方角を向いて黙とうする生徒ら=豊橋市の桜丘高で

被災地の方角を向いて黙とうする生徒ら=豊橋市の桜丘高で

 阪神大震災から28年を迎えた17日、豊橋市の桜丘高校で追悼集会があった。生徒会とともに企画したのは震災から20年以上にわたって被災地の高齢者宅を訪れ、現在も交流を続ける同校のボランティア同好会「孫便りの会」。まだ生まれていなかった生徒たちは「震災を知ることで、これから起きる地震の被害を最小限にできる。風化させないことが大事」と誓った。(牧原広幸)

 校内の広場には手作りの灯籠が並び、「むすぶ 2023」の文字が浮かんだ。この日、神戸市の東遊園地であった「1・17のつどい」と同じ文字で、現地から届いた竹筒も並んだ。震災から28年と半日たった午後5時46分。約150人の生徒は、静かに被災地に祈りをささげた。

 孫便りの会は、震災が発生した1995年に創設。高齢者たちの孤独死を防ぐため、文通や60回以上の訪問を続けてきた。被災者が亡くなったり、調整が難しくなったりしたため、2019年以降は面会できていないが、現在も寄せ書きや電話などで交流を続けている。生徒たちは被災者たちから「孫っ子」と呼ばれ、指導する柴田匡俊教諭の下には、今も「ありがとう」と感謝の声が届くという。

 在校生にとって、生まれる10年以上前の出来事。それでも会長の生徒(3年)は、早朝に発生し、家々を焼き尽くした当時の火災の映像を見て「地震はいつ起きるか分からないと感じている」と語る。一部の生徒は昨年に修学旅行で神戸を訪問した。

 現在は豊橋東ロータリークラブの支援を受けながら、「孫便りIAC」名でも活動。東日本大震災の街頭募金を実施したほか、実際に宮城県気仙沼市などを訪れ、被災者と交流したり、慰霊碑の清掃をしたりしている。

 会長の生徒は「豊橋でも南海トラフ地震が起きると言われている。人とのつながりを大事にして、周りの人と助け合えるようにしていきたい」と話した。

(2023年1月18日 中日新聞朝刊東三河版より)

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