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お知らせ 2021.03.28

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海星中学校

切磋琢磨し合える 男女共学に期待 海星中・高 来月から女子受け入れ

4月から導入される制服を紹介する下村校長。女子の制服はスカート(中)とスラックス(左)の2種類ある

4月から導入される制服を紹介する下村校長。女子の制服はスカート(中)とスラックス(左)の2種類ある

■施設整備や国際コース新設 希望生徒らの評判上々

 県内唯一の男子校、海星中学校・高校(四日市市追分1)が、この4月から男女共学になる。カトリック系の設立母体が進める共学化や多様性を求める社会情勢への対応で、同校では施設の整備や部活動の受け入れなど体制を整える。下村和之校長は「男女が切磋琢磨(せっさたくま)し合えるような学校になれば」と期待を込める。 (尾林太郎)

 女子生徒を受け入れるのは、中高一貫の6年制コース、高校からの「進学特別コース」と、今春新設される「国際数理コース」の3コース。国際数理コースでは各教科の学習内容やデータ分析などを用いて、関心のある社会課題の解決策を探る授業に力を入れる。進学コースは従来通り男子のみを受け入れる。

 校内施設の整備も急いだ。校舎内にある一部の男子トイレを女子用に改修。身だしなみを整えられるよう、鏡が数枚並ぶスペースを設けた。教室の一部を改装したロッカー付きの更衣室も完成。制服はスカートとスラックスの2種類を用意した。

 同校は、サッカー部が昨年末の全国高校選手権に出場するなど部活動にも力を入れる。全ての部で女子部員を募集し、運動部ではマネジャーだけでなく選手としての入部も歓迎するという。

 「ここ10数年、グローバル化や多様性を求める動きが急速に広まってきた。共学化した海星という新しい環境で育ち、変化の速い世の中に飛び込む力をつけてほしい」。下村校長は、学校改革のねらいを説明する。

 カトリック系の設立母体、エスコラピオス修道会(ローマ)は、同校を含め世界約40カ国で197校を抱える。近年、その多くが女子の受け入れを始めたという。

 新年度からは中学、2022年度から高校で新しい学習指導要領が実施され、探究学習の重視が求められる。下村校長は「答えのない課題に向き合い、試行錯誤する力が必要。男女が互いの視点からアイデアを出し、刺激し合ってほしい」と話す。

 同校への進学を希望する女子生徒と家族からの評判は上々とも。昨年8月~今年2月に開いたスクールツアーでは、参加した約300組のうち4割ほどが女子だった。参加者からは設備に満足する声や、「1期目の女子としてこの学校に飛び込みたい」といった意気込みも聞かれたという。広報担当の中瀬修介教諭は「新しい海星への期待感が大きいのでは」と話す。

 在校生も共学化に期待を寄せる。生徒会長の高校2年生男子生徒(17)は「立ち居振る舞いをしっかりしないと」とはにかみつつ、「ますます明るく活発な学校になりそう」と話す。

(2021年3月28日 中日新聞朝刊北勢版より)

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