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お知らせ 2021.03.21

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四日市メリノール学院中学校

届け歌声 今年は映像で 四日市メリノール学院中・高「聖歌隊」

練習に励む聖歌隊の生徒たち=四日市市平尾町の四日市メリノール学院で

練習に励む聖歌隊の生徒たち=四日市市平尾町の四日市メリノール学院で

■慈善演奏会中止 ビデオメッセージに願い込め

 四日市メリノール学院中学校・高校(四日市市平尾町)の「Sクラブ・聖歌隊Amazing Grace」は、東日本大震災が発生した2011年から、チャリティーコンサートや被災地訪問などで現地への支援を続けている。新型コロナウイルスの影響でコンサートが中止になった今年はビデオメッセージを制作。「私たちの歌声で少しでも元気になってもらいたい」と願いを込める。 (尾林太郎)

 聖歌隊はこれまで、11年と15年の2回、仙台市と宮城県女川町を訪れ、演奏会を開いた。

 また、12年以降は毎年、近鉄百貨店四日市店(四日市市)やアクアイグニス(菰野町)などでチャリティーコンサートを開いてきた。今年も2月にアクアイグニスで開く予定だったが、中止に。映像で直接歌声を届けることにした。

 約40分間の映像では、聖歌隊の14人が聖歌や復興応援ソング「花は咲く」、女性ボーカルグループ「リトルグリーモンスター」の「世界はあなたに笑いかけている」など約10曲を披露。生徒らの選曲で、部長の高校2年生女子生徒(17)は「明るい気持ちになれるような組み合わせにした。歌詞にしっかり思いを込めて歌った」と話す。映像は女川町社会福祉協議会に贈った。

 現地のコンサートでは、老人保健施設や教会などを訪問。住民たちとの交流会もあり、「遠いところからありがとう」と感謝されることもあった。「被災者の皆さんに寄り添うだけでなく、生徒にとっても学ぶことは多い。自分たちにも、遠く離れた被災地のためにできることがあると気づいたのでは」と原愛子教諭(44)は話す。

 震災から10年がたった。ほとんどの部員が当時幼少期で、記憶もあいまいだ。高校1年生の女子生徒(16)もその一人だったが、昨年入部してからは、震災関連の報道に触れるなど関心を深めるようになった。「10年たっても、まだ大変な思いをしている人が大勢いる。自分たちのような子どもでもできる支援を、これからも続けていきたい」と話す。

 「10年たっても古里に戻れない人も多く、現地の復興はまだ道半ば」と原教諭。「震災のことを忘れていませんよと、歌声を通じて皆さんに伝えられれば」と語る。

(2021年3月21日 中日新聞朝刊三重総合版より)

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