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お知らせ 2021.01.06

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男子演じる宝塚 漫画化 東海中高部活がモデル レビュダン!

2020年10月、娘役や男役にふんし熱演する男子生徒たち=名古屋市東区の東海中学校・高校講堂で(永井抱陽写真館提供)

2020年10月、娘役や男役にふんし熱演する男子生徒たち=名古屋市東区の東海中学校・高校講堂で(永井抱陽写真館提供)

 宝塚歌劇さながらのミュージカルやレビューに熱中する男子校生たちを描く漫画「レビュダン!」(講談社)が話題だ。モデルとなったのは、名古屋市東区にある私立東海中学校・高校の部活動「東海高校カヅラカタ歌劇団」。担当編集者や元タカラジェンヌと共に取材してきた作者の中村世子(せいこ)さんは「居場所を見つけて輝くリアルな生徒たちの姿を投影できたら」と話す。 (築山栄太郎)

 漫画の主人公は、廃部寸前の演劇部の部室に居つく男子高校生。家に帰りたくないというだけの動機でボランティア公演や部員集めに奔走するうち、演劇の楽しさに目覚めていく。

 10~20代をターゲットにした少女漫画で「イケメン男子」が中心だが、恋愛要素はゼロという異色作だ。雑誌「デザート」で昨夏から連載が始まり、読者から「新しい世界観」「男の子だけのミュージカルなんてわくわくする」と好評。昨年11月には単行本第1巻が発売された。

 中村さんは2018年秋に、講談社の編集者と漫画家のマッチングサイト「DAYS(デイズ) NEO(ネオ)」で、宝塚歌劇の大ファンという共通点から同誌担当編集者の北原恵さんと意気投合。中村さんがカヅラカタ歌劇団の話をしたところ、北原さんが「漫画の題材になりそう」と応じ、企画が進んだ。

 元宝塚歌劇団花組男役の天真(てんま)みちるさんもチームに加わり、カヅラカタの練習や公演の見学、生徒たちの取材を重ねた。天真さんは「愛知県出身の先輩からうわさは聞いてはいたが、こんなに本気でクオリティーが高いとは」と驚く。

 中村さんは、彼らの姿を「漫画のキャラクターに負けないくらい、キラキラしていてまぶしい」と絶賛。「作品ではこれから仲間が増え、衝突したり壁にぶつかったりすることが出てくると思う。それを乗り越えていく姿を、青春のきらめきとして描いていきたい」と意欲を燃やす。

■多彩な部員 舞台で輝き

 東海高校カヅラカタ歌劇団は2003年に文化祭企画として始まり、13年から部活動に。毎年春と秋に定期公演を上演し、元タカラジェンヌからダンス指導も受ける本格派だ。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で春公演は中止したが、秋公演は開催し、会場の保護者らを沸かせた。団員の顔触れは漫画と同じく多彩で「『レビュダン!』を通じて僕たちの活動も知ってもらえたらうれしい」と励みにしている。

 引退公演となった昨年10月のミュージカル「All for One~ダルタニアンと太陽王~」で、主役の銃士ダルタニアンを演じた山口さん(16)=高校2年=は「中学に入学してすぐ見学に訪れたら、半強制的に入団させられた」と笑う。バレエの経験も生かし、引退までやり通した。

 第18期団長を務めた中嶋さん(17)=同=は、サッカー部だった中3の秋に友達に誘われて入団。ずっと娘役で「猫背を直し、ドレスの脚さばきに苦労した。でもカヅラカタは、第2の家といえるほど大きな存在になった」。中村さん(17)=同=は、中学から所属したワンダーフォーゲル部を高1でやめたが「最後に何かやりたい」とカヅラカタの門をたたいた。

 神戸市出身の中学1年生(13)=は小1のころ、母親に連れられて鑑賞した宝塚歌劇に感動した。「男は入れないと知ってがっかりしたが、カヅラカタというのがあるのを聞いて東海中を目指し、引っ越してきた」と明かす。

 顧問の久田光政教諭(64)は「仲間と力を合わせて良いものをつくっていこうとすることで自己肯定感が育まれる」と、教育効果にも期待する。

(2021年1月6日 中日新聞夕刊1面より)

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