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大学野球 2025.12.20
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元竜・山内壮馬 名城大新監督就任 来年1月1日付

明治神宮野球大会、立命大戦の3回、試合を見つめる名城大の安江監督(右)と山内コーチ=11月18日、神宮で(武藤健一撮影)
愛知大学野球連盟に所属する名城大の新監督に、OBで元中日投手の山内壮馬コーチ(40)が来年1月1日付で就任することが19日、分かった。10年間、チームを指揮した安江均監督(65)が4強入りした今秋の明治神宮大会を最後に定年のため勇退。現役を引退した翌年の2017年に母校へ戻った山内コーチが後を継ぐ。新監督は「直前に全国ベスト4だったので、目標は日本一じゃないと」と就任1年目から初の全国制覇を目指す決意を語った。
■二人三脚9年間
1年間をかけて引き継ぎを行ってきた山内コーチだが、まだ実感は湧かない。「学生からは『壮馬さん』と呼ばれていて、『山内コーチ』とも言われたことがない。『監督』と呼ばれても振り向ける自信はないな」と笑う。それでも、安江監督と二人三脚で歩んだ9年間の経験に自負はある。
■選手と信頼関係
その親しみやすさとプロでの経験を生かし、選手と信頼関係を構築。安江監督が「投手陣は全て山内コーチに任せていた」と打ち明けるほど、全幅の信頼を置かれた。今秋はリーグ2位から明治神宮大会出場権を懸けた王座決定戦で4連勝。リーグ登板経験のない投手も含め、全試合で異なる先発投手を起用した策が見事にハマった。「冥利(みょうり)に尽きるというか、そうやってうまくいくとやりがいを感じる」と自信を深めた。
■プロ時代の手本
プロ時代には最高の手本を目の当たりにした。2010、11年にリーグ連覇を果たすなど在籍時の中日は黄金期の真っただ中。「強いドラゴンズで、勝てるチームがやっていることを見た。指導者でいうと一人一人に存在感があった」と振り返る。当時の落合博満監督と森繁和ヘッドコーチが野手と投手で役割を分担し、コーチ陣がそれぞれの役割を全うする姿を目にした。
■投手陣育成一任
自身も安江監督から投手陣の育成を任され、「やりやすかった」と責任感を持てたことを実感する。今後はチームの先頭に立つが「信じられるようになってからでなく、信じて任せる」と、コーチ陣と連係しながら強いチームをつくっていくつもりだ。
■母校10年の節目
来年は母校に戻って10年目になる。「母校だからこそ安心感があるし、愛情がある」。名城大の全国大会での最高成績は1979年の明治神宮大会準優勝。監督として大学初の全国制覇に導き、愛着のある母校に最高の恩返しをする。 (石曽根和花)
▼山内壮馬(やまうち・そうま) 1985年7月1日生まれ、愛知県豊田市出身の40歳。右投げ右打ちの元投手。愛知・杜若高、名城大を経て2008年に当時の大学・社会人ドラフト1巡目で中日へ入団。12年に10勝をマーク。16年は楽天でプレーし、同年限りで現役引退。プロ8年間の通算成績は57試合で17勝15敗1ホールド。17年4月から名城大でコーチを務め、広島・栗林、ソフトバンク・岩井、DeNA・松本凌をプロへ送り出した。
(2025年12月20日 中日スポーツ1面より)